ディスコグラフィ   シカゴ(04)

CHICAGO AT CARNEGIE HALL (1971/11)
CHICAGO

曲目 シカゴ・アット・カーネギー・ホール
シカゴ
総評

試聴♪

Produced by JAMES WILLIAM GUERCIO (DISC 1、2、3)
Remixed and Remastered by LEE LOUGHNANE & JEFF MAGID (DISC 4)

曲目
<DISC 1>
01 IN THE COUNTRY ぼくらの国
02 FANCY COLOURS 空想の色
03 DOES ANYBODY REALLY KNOW WHAT TIME IT IS ?
(FREE FORM INTRO)
いったい現実を把握している者はいるだろうか?
(フリー・フォーム・イントロ)
04 DOES ANYBODY REALLY KNOW WHAT TIME IT IS ? いったい現実を把握している者はいるだろうか?
05 SOUTH CALIFORNIA PURPLES サウス・カリフォルニア・パープルズ
06 QUESTIONS 67 AND 68 クエスチョンズ67/68
07 SING A MEAN TUNE KID 僕等の歌を
08 BEGINNINGS ビギニングス
<DISC 2>
<01〜05>
IT BETTER END SOON

栄光への旅路
01 1ST MOVEMENT 第1楽章
02 2ND MOVEMENT (FLUTE SOLO) 第2楽章
03 3RD MOVEMENT (GUITAR SOLO) 第3楽章
04 4TH MOVEMENT (PREACH) 第4楽章
05 5TH MOVEMENT 第5楽章
06

INTRODUCTION

イントロダクション
07 MOTHER 母なる大地
08 LOWDOWN ロウダウン
09 FLIGHT 602 フライト・ナンバー602
10 MOTORBOAT TO MARS 火星へのモーターボート
11 FREE 自由になりたい
12 WHERE DO WE GO FROM HERE 約束の地へ
13

I DON'T WANT YOUR MONEY

欲しいのは君だけ
<DISC 3>
01 HAPPY 'CAUSE I'M GOING HOME ハッピー・コウズ・アイム・ゴーイン・ホーム

<02〜08>
BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON


バレエ・フォー・ア・ガール・イン・バキャノン
02 MAKE ME SMILE ぼくらに微笑みを
03

SO MUCH TO SAY, SO MUCH TO GIVE

言いたいことが沢山
04

ANXIETY'S MOMENT

不安の日々
05

WEST VIRGINIA FANTASIES

ウェスト・バージニアの幻想
06 COLOUR MY WORLD ぼくらの世界をバラ色に
07 TO BE FREE 今こそ自由を
08

NOW MORE THAN EVER

愛は限りなく
09 A SONG FOR RICHARD AND HIS FRIENDS リチャードと彼の友人達に捧げる歌
10 25 OR 6 TO 4 長い夜
11 I'M A MAN アイム・ア・マン
<DISC 4 ライノ再発盤ボーナス・トラック>
01 LISTEN リッスン
02 INTRODUCTION イントロダクション
03 SOUTH CALIFORNIA PURPLES サウス・カリフォルニア・パープルズ
04 LONELINESS IS JUST A WORD 孤独なんて唯のことば
05 FREE FORM INTRO (NASALTONES) フリー・フォーム・イントロ
(ネイザルトーンズ)
06 SING A MEAN TUNE KID 僕等の歌を
07 AN HOUR IN THE SHOWER シャワーの時間
A HARD RISIN' MORNING WITHOUT BREAKFAST
OFF TO WORK
FALLIN' OUT
DREAMIN' HOME
MORNING BLUES AGAIN
朝食ぬきのつらい朝

仕事に出よう
堕落
ドリーミン・ホーム
再び朝のブルースを
08 25 OR 6 TO 4 長い夜
総評

71年4月5日から10日にかけてカーネギー・ホールで行われたライブの模様を収録したボックス・セット。

LPで“4枚組”という枚数が驚きなら、“7800円”という値段は当時としてはもはやあきらめの境地―――。もっとも、バンド側はかなり破格のつもりだったようですが・・・。

しかし、付録はすごかった!

特大カラー・ポスター(120×180cm)1枚
カラー・ポスター1枚
2色ポスター1枚
カラー20ページ、ブックレット
歌詞カード
対訳カード

が付いていました。

但し、さすがにこの価格設定には反響(?)があったのか、その後、日本でもいろんな形で販売されたようです。たとえば、箱ではなく通常の2枚組の2セットという構成(=結局全部聴ける)や、どぎつい蛍光緑の1枚組という構成(=全部は聴けない。しかも、曲順も異なる。正式表示は『THE GREAT CHICAGO AT CARNEGIE HALL』)、などの形態が散見されます。


さて、このアルバム、メンバー間では不評です。なぜなら、音響管理をしていたプロデューサーのガルシオがいちいち裏から指示を出しながらの演奏だったため、自由に思うようにできなかったから、というのです(殊に、その後発売された『ライヴ・イン・ジャパン』の方がメンバーのお気に入り品、というのは有名な話です)。

しかし、そのおかげか、音質面は非常にクリアーで、原曲に近い演奏がなされており、個人的には好感を持っています。


なお、発売当時は、上記のようにLPで4枚組という構成でしたが、CD化の際には、3枚組に編成し直されて発売されました。

ところが、2005年8月、ライノからボーナス・トラック付きで再発されました。CD化はこれで都合3回目になります。しかも、このライノ盤の再発には今までにない重要な特典が含まれています。

まず、はじめて音源がリマスター処理されています。これにはリー・ロックネインが貢献しています。

そして、当時収録されていなかったボーナス・トラックがCD1枚分追加されて、奇しくもLPのときと同じ4枚組となりました。

さらに、LP発売時の付録の数々が、ミニ・サイズで復刻されています。


<追記>

ところで、本アルバムは、まず、「Good evening. Success...success speaks for itself. And I'm Scott ――」というMCで始まります。

この名調子を披露してくれたのは、当時すでに高名だったスコット・マニ(SCOTT MUNI)氏でした。しかし、同氏は惜しくも、リマスター発売の約11ヶ月前にあたる2004年9月28日(火)、74歳の生涯を閉じるに至っています。

スコット・マニは、ニューヨークを拠点に50年代から活躍したラジオのディスク・ジョッキー。実に50年以上にわたり、音楽の普及に尽くした人物です。卓越したロック・ミュージックの知識に、いつしか人は彼のことを“ロック・プロフェッサー”と呼ぶようになります。

シカゴとの縁は分かりません。しかし、駆け出しのロック・バンドが、由緒正しいカーネギー・ホールでコンサートを開くこと自体、異例だった当時、“ロック・プロフェッサー”たる氏がオープニングMCに起用された事実は、ある意味、シカゴのロック性を社会的に広く確立させる象徴的な出来事ではなかったか、と思うのです。

ご冥福をお祈り致します。

<DISC 1>

01

IN THE COUNTRY
ぼくらの国

TERRY KATH

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

02

FANCY COLOURS
空想の色

ROBERT LAMM

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

03
DOES ANYBODY REALLY KNOW WHAT TIME IT IS ?
(FREE FORM INTRO)
いったい現実を把握している者はいるだろうか?
(フリー・フォーム・イントロ)
ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

04
DOES ANYBODY REALLY KNOW WHAT TIME IT IS ?
いったい現実を把握している者はいるだろうか?

ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

05

SOUTH CALIFORNIA PURPLES
サウス・カリフォルニア・パープルズ

ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

06
QUESTIONS 67 AND 68
クエスチョンズ67/68
ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

07
SING A MEAN TUNE KID
僕等の歌を
ROBERT LAMM

 71年、『シカゴIII』収録。

08
BEGINNINGS
ビギニングス

ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

<DISC 2>

IT BETTER END SOON
栄光への旅路

01から05にかけての連作の表題。

01

1ST MOVEMENT
第1楽章

ROBERT LAMM

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

歌詞も演奏も、ほぼオリジナル・バージョン(2作目『シカゴと23の誓い』収録)と同一。

但し、ライヴなのに、これほど忠実に演奏されているのには感服。

人々が死に、泣き叫んでいるのに、誰も耳を傾けようとしない現実。≪早く終わってくれ≫、≪これ以上耐えられない≫との歌詞が痛いほど響いてきます。

02
2ND MOVEMENT
第2楽章
WALTER PARAZAIDER ROBERT LAMM

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

ウォルターのフルート・ソロ。

途中(前半50秒過ぎくらいからが顕著)、数カ所において、いろんな曲をアドリブ的に引用しているのが印象的。中でも、ヨドバシカメラさんの宣伝でもお馴染みの曲(曲名不詳)を織り混ぜているのはご愛嬌。

そういえば、BS&Tの"SPINNING WHEEL"には、カメラのキムラさんのCM曲に使われたメロディの一節が挿入されています。これはったくの偶然なのでしょうか?d

本アルバム『シカゴ・アット・カーネギー・ホール』について、メンバー各自は、プロデューサーであるガルシオの徹底した音響管理にウンザリしていたようですが、このウォルターのソロなんかは原音に近い素朴な音が出ていて、結果的には成功してるように思うのですが・・・・。

03

3RD MOVEMENT
第3楽章

TERRY KATH ROBERT LAMM

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

本来(=2作目『シカゴと23の誓い』収録)の"第3楽章"のうち、テリーのギター・ソロのみが、このカーネギー盤の"第3楽章"として独立化し、これに続く、テリーのボーカル部分は、カーネギー盤では"第4楽章"に回され、以降、すべての曲の名称がズレていくことになります。

もっとも、ギター・ソロの独立化と言っても、オリジナル・バージョンの"第3楽章"で見られたギター・ソロは、前半のほんの10数秒程度しかありませんでした。それが、このカーネギー盤では、2分50秒余りと、だいぶ拡張された形になって演奏されています。

ちなみに、そのバックでは、パーカッション系のリズムが小気味良く鳴り響いていて、貴重なアクセントを提供してくれています。

04

4TH MOVEMENT
第4楽章

ROBERT LAMM

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

いきなり、テリーの雄叫びから始まるこの楽章。

さあて、実は、ここから話がかなりややこしくなります。

上記のように、本来の"第3楽章"にあたるもののうち、ギター・ソロだけが独立章とされた関係で、残りのテリーのボーカル部分が、このカーネギー盤では"第4楽章"として、ズレ込んでしまいました。

つまり、この“カーネギー盤における"第4楽章"は、本来の"第3楽章"のうちの、テリーのボーカル部分”を指します。

ただ、注意したいのは、“本来の"第3楽章"とは歌詞が異なる”ということです。曲調は本来の"第3楽章"調ですが、歌詞が違うのです。用いられている言葉自体は、まったく違うと言っていいほどのレベルです。

まず、本来の"第3楽章"にあったボーカル部分は、「おエライさんのために戦うのはごめんだ。互いに愛し合い、世界を変えよう。さあ、立ち上がるんだ!」という内容でした。

対して、これに相当する、ここカーネギー盤でいう"第4楽章"の歌詞も、“意味的にはほとんど同じ”と言っていいでしょう。

しかし、あえて≪PREACH≫との別途表記がある点に大きな違いがあります。もっとも、そんなに説教色は強くありません。むしろ、「今まで自分が言ってきたことを分かって欲しい。みんな分かってくれたかい?」と“お願い”調で(“嘆願”とまでは言えないような気がします)、戦いを止めることを呼びかけています。

この微妙な“違い”を個人的にまとめると、本来の『シカゴと23の誓い』のバージョンが抽象的または感情的にモノを言ってきたのに対し、この『カーネギー』バージョンではより具体的かつ現実的な呼びかけとして、実際に戦いを止めるという行動に出るよう説得してるように聴こえます。

一方で、「格調あるカーネギー・ホールでこんな歌詞の歌を歌ってどうだったんだろう?」とも思ったりもします。それとも、当時はそのこと自体に意義があった、とでも言うのでしょうか・・・。

05

5TH MOVEMENT
第5楽章

ROBERT LAMM

以上のように、まず、本来の"第3楽章"のうち、「テリーのギター・ソロの部分」のみを抽出して、カーネギー盤"第3楽章"として独立にカウントしたようです。

そして、その結果、このギター・ソロに続くはずの「テリーのボーカル部分」は、本来"第3楽章"の一部を構成していたにもかかわらず、押し出される形で、このカーネギー盤"第4楽章"として取り扱われるに至ります。

そのため、本来の"第4楽章"がさらにズレて、期せずして、当該"第5楽章"が誕生した、とこういうわけです。歌詞も、本来の"第4楽章"の歌詞とほぼ一緒です。

つまり、このカーネギー盤にいう"第5楽章"は、本来の"第4楽章"にあたる部分であり、なにも、新しい楽章ができたわけではありません。ポイントは、"第3楽章"を分けた、ということです。かなり分かりにくいですのですが、その点、ご留意ください。

Q&A カーネギー盤"栄光への旅路"に"第5楽章"?
06
INTRODUCTION
イントロダクション
TERRY KATH

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

07

MOTHER
母なる大地

ROBERT LAMM

 71年、『シカゴIII』収録。

08
LOWDOWN
ロウダウン

PETER CETERA DANIEL SERAPHINE

 71年、『シカゴIII』収録。

09

FLIGHT 602
フライト・ナンバー602

ROBERT LAMM

 71年、『シカゴIII』収録。

10

MOTORBOAT TO MARS
火星へのモーターボート

DANIEL SERAPHINE

 71年、『シカゴIII』収録。

11
FREE
自由になりたい
ROBERT LAMM

 71年、『シカゴIII』収録。

12

WHERE DO WE GO FROM HERE
約束の地へ

PETER CETERA

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

13
I DON'T WANT YOUR MONEY
欲しいのは君だけ

TERRY KATH ROBERT LAMM

 71年、『シカゴIII』収録。

<DISC 3>

01

HAPPY 'CAUSE I'M GOING HOME
ハッピー・コウズ・アイム・ゴーイン・ホーム

ROBERT LAMM

 71年、『シカゴIII』収録。

BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON
バレエ・フォー・ア・ガール・イン・バキャノン

02から08にかけての連作の表題。

02
MAKE ME SMILE
ぼくらに微笑みを
JAMES PANKOW

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

03
SO MUCH TO SAY, SO MUCH TO GIVE
言いたいことが沢山
JAMES PANKOW

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

04

ANXIETY'S MOMENT
不安の日々

JAMES PANKOW

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

05

WEST VIRGINIA FANTASIES
ウェスト・バージニアの幻想

JAMES PANKOW

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

06
COLOUR MY WORLD
ぼくらの世界をバラ色に
JAMES PANKOW

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

07
TO BE FREE
今こそ自由を
JAMES PANKOW

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

08

NOW MORE THAN EVER
愛は限りなく

JAMES PANKOW

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

09

A SONG FOR RICHARD AND HIS FRIENDS
リチャードと彼の友人達に捧げる歌

ROBERT LAMM

10
25 OR 6 TO 4
長い夜
ROBERT LAMM

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

11

I'M A MAN
アイム・ア・マン

STEVE WINWOOD JIMMY MILLER

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

<DISC 4 ライノ再発盤ボーナス・トラック>

01
LISTEN
リッスン
ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

02

INTRODUCTION
イントロダクション

TERRY KATH

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

03

SOUTH CALIFORNIA PURPLES
サウス・カリフォルニア・パープルズ

ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

04

LONELINESS IS JUST A WORD
孤独なんて唯のことば

ROBERT LAMM

 71年、『シカゴIII』収録。

05
FREE FORM INTRO (NASALTONES)
フリー・フォーム・イントロ(ネイザルトーンズ)
ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

"DOES ANYBODY REALLY KNOW WHAT TIME IT IS ?"の"FREE FORM INTRO"部分のことです。

06

SING A MEAN TUNE KID
僕等の歌を

ROBERT LAMM

 71年、『シカゴIII』収録。

AN HOUR IN THE SHOWER
シャワーの時間

07にある連作の表題。

07

A HARD RISIN' MORNING WITHOUT BREAKFAST
朝食ぬきのつらい朝

OFF TO WORK
仕事に出よう

FALLIN' OUT
堕落

DREAMIN' HOME
ドリーミン・ホーム

MORNING BLUES AGAIN
再び朝のブルースを

TERRY KATH

 71年、『シカゴIII』収録。

08

25 OR 6 TO 4
長い夜

ROBERT LAMM

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。