本アルバムのタイトル・カット。
本曲の共作者であるロバート・ラムとジム・ピートリックは、遅くとも2017年4月ころには、共作活動を開始しました。
また、ジムは、同年11月、シカゴが『2』の全曲ライヴを収録した際、シカゴのメンバーのうち、リー、ジミー、ロバートの3人に対し、インタビューを敢行したりもしています。
その後、2020年、新型コロナウイルス感染症が、世界的に大流行すると、シカゴ自体も、同年3月14日の公演をもって、一時、ライヴ活動を休止します(なお、このライヴ活動の休止から再開までをまとめたドキュメンタリー映画が『ザ・ラスト・バンド・オン・ステージ』です。)。
ロバートは、同日の公演に先立って開催されたコンベンションにおいて、ジムと共作している楽曲の1つが、本曲であることを明かし、ファンの前で、おもむろにノートパソコンを開いて、デモ状態の本曲を披露します。
ロバートとジムは、同年5月には、ロバート・ラム&ジム・ピートリック&フレンズ名義で、"EVERYTHING IS GONNA WORK OUT FINE"という楽曲を発表しました。同曲は、新型コロナウィルスの影響により、人々の間に不安感や閉塞感が広がる中、明日への希望を抱かせてくれる前向きな楽曲でした。
ジムは、言わずと知れたアイズ・オブ・マーチとサバイバーの中心的メンバーです。このうち、アイズ・オブ・マーチは、ホーンを取り入れたバンドでした。
ジムは、イリノイ州に生まれました。そして、大のシカゴのファンです。実際、自分のFacebookなどにおいて、ギターを手に、シカゴの曲を歌ったりしていました。
ところで、『BORN FOR THIS MOMENT』というアルバム・タイトルは、ジムの感慨から来ているようです。
以下、ジムのコメントです。
「突然、『ボーン・フォー・ディス・モーメント』というタイトルが思い浮かびました。私は、シカゴの初期からのファンであり、彼らが30枚以上のアルバムをリリースしたのちに、私は、とうとう、自分のヒーローバンドに関わることができたのです。そんな感慨に浸っていたとき、ふと、自分は『この瞬間のために、生まれてきたんだ!』と思ったからなのです。」
若いときから、ずっと好きだったバンドに対し、約50年かけて、関わることのできた喜びは、何物にも代え難いものでしょう。そんな感激が伝わってきます。
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