<newbeats.comのインタビュー>
Q1 クリスマス・アルバムを製作しようとしたキッカケは?
「僕はずっとクリスマス・アルバムを出したかったんだ。でも、なかなか時機が合わなくてね。だいたい2年前くらいだったかな、手が空いている旨を周囲に伝えていたんだ。それで、デヴィッド・フォスターの呼び掛けに応じて、マクドナルド主宰のコンサート(※管理人注)に参加したんだ。デヴィッドは僕にステージに上がらないかって誘ってくれた。僕たちが一緒にやってきた曲を、8編成のシンフォニーを従えてメドレーでやりたいと言うんだ。セリーヌ・ディオンも出演するんだって。それで、シカゴ(=地名:管理人注)のエアリー・クラウン・シアターに行って、オーケストラをバックに歌ったんだよ。シカゴ(=地名:管理人注)のファンの前でこんな形で歌うのははじめてだったね。そして、今こそ時機だ、とひらめき、3つのことをやろうと思ったんだ。1つはクリスマス・アルバム、2つ目はシンフォニーを連れたツアー、そして、3つ目がスタジオ・アルバムさ」
※管理人注
ファストフード最大手のマクドナルドは、2002年から、毎年11月20日の「世界子どもの日」(1954年国連制定)に、世界中の恵まれない子供たちのための大規模な募金活動を展開するようになりました。このキャンペーンの一環として、多数のアーティストの参加のもと、「コンサート・フォー・ワールド・チルドレンズ・デー」というチャリティ・コンサートが開催されています。第1回目のコンサートは、デヴィッド・フォスターが音頭を取り、ピーター・セテラやセリーヌ・ディオンらが駆けつけました。このときの模様は、アメリカのTV局PBSがDVD化していますが、残念ながら日本国内ではほとんど流通していません。
Q2 レーベルは、インディーズ系ですね?
「このアルバムには、アレンジから、プロデュース、作曲、アートワークに至るまで、心血を注いだつもりだよ。いくつかのメジャー・レーベルが手を上げてくれたんだけど、彼らとは条件面で折り合いがつかなかった。だから、以降、良い話が来るのを待っていたんだ。そしたら、(インディーズ系の:管理人注)ViaStar Recordsが実によく便宜を図ってくれたんだ」
Q3 伝統的な曲に現代風のひねりを利かせていますね?
「あまりにも良い曲だから、いくつかはいじって欲しくなかったと思う曲もあるかもしれないね。だけど、僕は僕なりにひねりを加えてみたかったんだよ。僕が聴いたクリスマス・アルバムはこういったスタンダードなものだった。僕の最高傑作さ」
Q4 アリソン・クラウスをパートナーに選んだのは?
(アリソン・クラウスと共演した"DECK THE HALLS"はウェールズ地方の古謡なので:管理人注)、「僕はこの曲にアイルランド風の味付けをしたかったんだ。ナッシュビルに拠点を移して以来、アリソンには目を付けていたよ。僕は"DECK THE HALLS"と"BLUE CHRISTMAS"のどちらかがいいか、聞いてみた。彼女が採らなかった方(="BLUE CHRISTMAS":管理人注)は、娘のクレアとやろうと思ってた。まさに素敵な時間を過ごせたよ」
Q5 クレアとは2曲、デュエットしていますね?
「クレアが気乗りするかどうか、話し合ったよ。ついになんとかして、2人の娘をひっくるめてこのクリスマス物を完成させることができた。下の子のセナも、絵を描いてくれた。クレアについては、彼女ならバック・ヴォーカルぐらいはできるだろうと考えていた。でも、僕のヴォーカルの方がひどくてさ、自分のパートは歌うのをやめちゃったんだよ。それで、残った部分が(=クレアの歌った部分が:管理人注)リード・ヴォーカルってわけ。"BLUE CHRISTMAS"、いい曲だよ。2人の娘を参加させるという積年の思いが叶って、実にうっとりとした気分だ」
Q6 選曲方法は?
「まず最初に、ずっとやってみたかった曲がいくつかあったんだ。それはあるクリスマス・ソング、または、捨て置くには惜しまれる2つの曲だった。クリスマス・ソングを書くのは難しかったね。演奏するスタンダード・ナンバーを選ぶ作業より難しかったよ。自分にはなかった感じを出そうと思って、くまなく探した曲が数百はあったね。ナット・キング・コールの定番"THE CHRISTMAS SONG"みたいなやつさ。願わくば、僕のバージョンも新しいスタンダードになって欲しいなあ」
Q7 新曲が3曲ありますね?
「まずは断片部分から始めて、3つの物にしたんだ。クラシックであろうとなかろうと、それらは本当に素晴らしいクリスマス・ソングだね。"SOMETHING THAT SANTA CLAUS LEFT BEHIND"は楽しい歌だ。この曲では僕はベースを弾いたんだよ。しばらく曲にのせることなんかしてなかったんだけどね」
Q8 レコーディングはクリスマスの良い記念になりましたか?
「僕はクリスマス大好き人間なんだ。僕の両親は僕にクリスマスの楽しさを染み込ませてくれた。僕も2人の娘に同じことをしてあげようと思う。クリスマスには特別な思い入れがある。ここに、なぜ僕がこのアルバムに十分な手間隙をかけたか、という理由がある。つまり、あらゆる人に聴いてもらいたいし、クリスマスの楽しさを理解してもらいたい、と思ったからなのさ」
Q9 ニュー・アルバムをリリースしてだいぶ経ちますね?
「以前一緒にやっていたスタッフ(=ソロ第7弾『ANOTHER PERFECT WORLD』の製作関係者のことと思われる:管理人注)とは、型にはまった感じになってしまってね。僕は目的があると書くタイプなんだよ。僕はスタジオ・アルバムもやりたくて、今はそれを(今回の配給元の:管理人注)ViaStarの人たちと一緒にやりたいと思ってる。それが、『ハロー、ワールド、僕は帰ってきたよ!』っていうのの、次の局面になるだろうね」
Q10 最近、ツアーに出てソロやシカゴの曲をやっていますね?
「昔の曲をたくさんやるのは実に楽しいものだったよ。僕は先のことを見据えるほうで、振り返ることはしないんだ。もちろん、多くの人が『再結成するんですか?』って聞いてくることも把握している。でも、それは僕にとってワクワクするようなことじゃないんだ。このクリスマス・アルバムを聴いてもらえば、僕がしたいことが分かってもらえると思うよ。僕から遠ざかっているという感覚はない。辛抱して好機が訪れるのを待っていたんだ。僕はこのクリスマス・アルバムに賭けた。そして、自分で作ろうと。結果には大変満足しているよ」
Q11 『WORLD FALLING DOWN』はあなたのベスト・アルバムだと思うのですが、セールスは低調でした(全米アルバム・チャート第163位:管理人注)
「うん、たしかに、そうだね。ものすごく好きなアルバムだ。ロンドンのアンディ・ヒルと一緒に仕事をしたんだよ。振り返ると、良い思い出がたくさんあるね。ちゃんとしたプロモートをしてもらえず、僕のソロ・キャリアの中でもほろ苦い部分であったりもするけど。基本的に、このアルバムは大した宣伝もなく発売されたんだよ。本当は必要なことなんだけどね。いろいろやったけど、まったく耳を貸してもらえなかった。ひょっとしたら、形はどうあれ、再リリースしてみたい気もするね。"RESTLESS HEART"はグレイト・ソングだ。"HAVE YOU EVER BEEN IN LOVE"なんて、なんだか自分の曲のようだよ」
Q12 今後、どんな人とデュエットしたいですか?
「エンヤ?いや、分からないや。彼女の風采は好きだね。彼女も僕みたいなものでしょ。みんな、僕らのことなんか分からないんだな。彼女もまた物事を普通にやろうとするレコード会社には敏感に反応するよね。僕はデュエットが好きだ。なぜなら、お互いのサイドに新しいオーディエンスをもたらしてくれるからね。チャカ・カーン、シェール、エイミー・グラントなど。みなさんがデュエットを期待するような原石は常にあふれていると思う。また、僕は男性アーティストと一緒に歌えるような歌も探しているんだ。男同士のデュエットって、そうないじゃない。適当な歌が見つかったら、楽しいだろうなあ」
Q13 シカゴはロックの殿堂入りに相応しいと思うのですが、まだ受賞していませんね
「何とも皮肉で滑稽なのは、自分でもどう答えたらいいのか分からない、ということだ。本当に言及しにくいな。僕はもうシカゴに在籍していた時よりも長くソロでやって来ているからね。もし、彼らが殿堂入りしたら、それはすごいことだよ。でも、僕らはノミネートされない。皮肉なことだね。シカゴは実に多くの素晴らしい曲を持っているし、人々の生活の一部になっているというのに、ね。何年も前から根深い対立があるんだ。何が災いしたかは分からない。僕らがヒットを量産するようになるや否や、僕らは評論家のお気に入りではなくなった。やがて、彼らは僕らをこき下ろすようになったんだ。ヒット曲があるからだよ。ひとたび時流に乗ろうものなら、今度はそこから降りるのが難しくなる。引退する頃になって、もし、彼らがノミネートしてくれたら、僕は行くだろうよ。でも、あいにく、まだ引退の準備はできていないけどね」
Q&A シカゴはロックの殿堂入りをしているのか?
Q14 ヒット曲に対するファンの反応をどう思いますか?
「世界中の至るところからあがるヒット曲の数は、ビックリ仰天するほどだよ。『おぉ、話してくれてとてもうれしいです』って、みんな言うでしょ。それで、僕も興奮して帰る。もちろん、楽しいよね。世間の注目を浴びていない人には分からないことだと思うよ。今は、自分でウェブサイトを持っているから、それで、みんなが言ってることに耳を傾けたり、読んだりしているんだ。みんな、自分自身がいかに他の多くの人にとって重要な存在であるか、きっと分かると思うな。それは、目を見張るような体験だよね」
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