ディスコグラフィ   参加作品

12 & 12 (2000)
JEFFREY FOSKETT

12&12
ジェフリー・フォスケット
総評

Produced by JEFFREY FOSKETT & HANK LINDERMAN

LIVING ALONE
リヴィング・アローン

ROBERT LAMM IVY BORG JEFFREY FOSKETT

上記ジェフリー・フォスケットの『12 & 12』(2000年)に収録された楽曲が"LIVING ALONE"です。

ジェフリー・フォスケットは、カリフォルニア州サンホゼ出身のヴォーカリスト兼12弦ギタリスト。

とくに、ブライアン・ウィルソンに代わって、ビーチ・ボーイズのツアーにサポート・メンバーとして同行していたことで有名です。ステージでは、他ならぬこのブライアン自身の後押しにより、ブライアンのパートを任されていました。

アルバム『12 & 12』に収録された曲はどれも、その澄んだハイ・トーン・ヴォーカルで構成されており、実にすがすがしい気持ちにしてくれます。

そう考えると、本曲は、同アルバム中、異例とも言うべき、後退的な内容となっています。≪1人ぼっちで生活している≫主人公は、≪ありのままの自分をさらけ出すことに無関心で空虚な気持ち≫に陥ります。そして、孤独に没頭するあまり、社交性をも失ってしまいます。最後に、≪でも、僕の未来は明るいんだ≫と結んで終わりますが、これも唯一の希望というよりは、むしろ、心許ない感じを受けます。

さて、一方、ロバート・ラムとジェフリー・フォスケットの出会いですが、確定的なことは分からないものの、おそらく“ビーチャゴ”(以前は“ビーチカゴ”の命名で有名)と銘打ったシカゴとビーチ・ボーイズの合同ツアー(89年)などがキッカケになったものと思われます。もっとも、LAにいるミュージシャンとして名前くらいは知っていたかもしれません。また、後年95年には、ジェリー・ベックリーのソロ・アルバム『VAN GO GAN』に2人とも参加しているので、そこで会する機会もあったでしょう。その後、2000年になって実現した楽曲上の共演が、この曲です。

本曲において、ロバートは、ヴォーカル、ピアノ、オルガン、ストリング・アレンジメントにわたる全面的な協力をみせています。ヴォーカルでは、≪Years have past quite a few≫から始まるメイン・ブリッジを担当しています。なかなかに力強く歌っているのですが、歌詞の内容は、孤独と不安を表出した部分となっています。

なお、この『12 & 12』を共同プロデュースしていたのも、ハンク・リンダーマンでした。ハンクは、のちに、ロバートの『SUBTLETY & PASSION』も手掛けますが、そこに収録されている"THE MYSTERY OF MOONLIGHT"は、またもジェフリーとロバートが共作した作品でもあります。