ビルボード・ドット・コムがウォルター・パラゼイダーにしたインタビュー記事が、11月16日付で掲載されています。
タイトルは、「Flatts Bassist Urges Chicago Back Into Studio」。来たるシカゴのニュー・アルバム『XXX』をプロデュースしたラスカル・フラッツのベーシスト、ジェイ・ディマーカスがいかにシカゴをスタジオに向かわせたか、という視点から切り込んでいます。昨年末から、シカゴの動きを察知していた私としては、実に的確な表現だと思いました。
さて、以下がそのやりとりです。
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「Flatts Bassist Urges Chicago Back Into Studio」 ビルボード・ドット・コム
シカゴは、1991年の『21』以来、全曲オリジナルのフル・レングス・アルバムを出してはいないが、その目は、春先に予定されているニュー・スタジオ・アルバム、その名も『サーティ』の発売日に注がれている。レーベルはまだ決まっていないが、アルバム自体はラスカル・フラッツのベーシスト、ジェイ・ディマーカスがプロデュースしている。
シカゴの現行ラインナップは、オリジナル・メンバーのロバート・ラム、ウォルター・パラゼイダー、リー・ロックネイン、ジミー・パンコウに、途中加入のビル・チャンプリン、ジェイソン・シェフ、トリス・インボーデン、キース・ハウランドを加えた陣容だ。
「私たちは、今年の初めにアルバムを録音しました」とパラゼイダーはビルボード・ドット・コムに語ってくれた。「今回のアルバムについては、本当に誇りに思ってるね。我々にとっては多少違うひねりが加わっているわけだけど、単なるお飾りじゃないよ。製作、作詞作曲、ヴォーカル・パフォーマンスなどは今風のものさ。もちろん、シカゴ流の味付けでね」
彼は続ける。「ディマーカスは言うんだ、『“エレメンツ”は維持したい。ホーンやバンド内のヴォーカリストをなくしちゃいけない。だって、それがシカゴでしょ。だけど、僕は多少それを拡大して行きたい』ってね。エキサイトしているという点では、69年や70年に最初の数枚のアルバムを作ったときに匹敵するね。エキサイティングなこと、我々の最大限を引き伸ばしてくれたこと――、ディマーカスはそういった仕事をしてくれました」。
収録曲の中には、シングルの可能性を秘める"FEEL"(すでにライヴではセットリスト入りしている)、"CAROLINE"、"KING OF MIGHT HAVE BEEN"などがある。「アルバムには、へヴィなロックンロールも、R&Bも、バラードもあるよ。だけど、我々は、"HARD HABIT TO BREAK"フォーミュラから離れようとしたんだ」と、元シカゴのピーター・セテラがヴォーカルをとる1984年のNO.3ヒットを引用しながら、パラゼイダーは語った。
シカゴの現在のツアーは12月10日のテキサス州のコーパス・クリスティ公演まで続く。「我々は、アース・ウィンド&ファイヤーとの2年間にわたるジョイント・ツアーを終えたばかりです。これは各地でとても盛況でした」とパラゼイダーは言う。「そうそう、知らないだろうけど―――、彼らとはまた2007年あたりにでもやるかもしれないよ。来年のサマー・ツアーは、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとやろう!なんて話も出てるよ。もっとも、メインは『XXX』だ。私たちはとてもエキサイトしているよ。アルバム作りはメチャクチャ楽しかったし、驚くほど大量の時間をかけたというわけでもなかったからね」。
残念ながら、バンドと、1985年に脱退したセテラとの間の関係は無しのつぶてのままだ。「ぶっちゃけ、何の連絡もないんだよ」とパラゼイダーはそのことを認める。「彼はバンドという枠組みの中ではあまりハッピーじゃなかったんだ。そのためにバンドもハッピーじゃなくなるのなら、そういう人がいること自体、バンドにとっても良くなかったんだろうね。だから、それぞれの道をたどって良かったんだと思う。そのことで思うのは、幸運にも我々は恵まれているということだ。これで39回目(訳者注:結成した67年を初年とする)のツアー・シーズンを迎えたんだ。一年だって休んだことはないよ。本当に幸運なことだと思っているね」。
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