『XXX』のアーカイヴズ

CHICAGO XXX (2006/3)
CHICAGO

2005年8月から2006年4月までの間、当サイト内の「フォーラム」にてご紹介して来た、『XXX』関連の製作経緯を抜粋してまとめてみました。

情報は、その時点で判明したものが基準となっています。現在では事実と異なっているものも当然あります。前後の情報を必ずご参照くださいますようお願い申し上げます。

また、リンク先URLも当時のものです。今ではつながらない場合もあるかもしれません。

さらに、該当情報をお寄せいただいた方々、本当にありがとうございました!ちゃんとクレジットしてありますので、ご確認くださいね。

それでは、以上の諸点をご理解の上、楽しまれますよう♪

月別
01 2004年11月 シカゴ、来年こそレコーディング入りへ?
シカゴ、2005年春のスタジオ入りが濃厚?
02 2004年12月 シカゴ新作は、来年1月から3月までが勝負!
シカゴ新作のプロデューサー候補?
03 2005年1月 シカゴのニュー・アルバムは自主製作盤の可能性

シカゴ、着々と素材集め進行中?

シカゴ、ニュー・アルバム作成へ!!

シカゴ新作は、アルバム・ヒット狙いか?

キースもスタジオ入り

シカゴ、新曲はサマー・ツアーで披露

シカゴ、レコーディング本格化!

04 2005年2月 新作は『XXX』か?

ニュー・アルバムは今年後半に発売か

新作収録曲の1つは"COME TO ME DO"

ジェイソン、TOTOのボビー・キンボールと共作か

05 2005年3月

『XXX』、ロバートの提供曲判明!

キース・ハウランド、ヴォーカル・デモ録音

『XXX』用にすでに12曲録音済み

新曲"FEEL"はシングル・カットの可能性あり

『トリプル・エックス』続報

続々判明、『トリプル・エックス』の中身

06 2005年4月 ジェイ・ディマーカスが海外のシカゴ掲示板に書き込み!

ジェイ・ディマーカス、新作を語る

キース、新作の印象

07 2005年5月 『XXX』ミキシング完了

デニス・マトコスキーのライヴにビルとジェイソン&シカゴ新曲?

元TOTOのジョセフ・ウィリアムズもシカゴ新作に参加
08 2005年8月 『XXX』のリリースは10月か
『XXX』発売は当面延期か
09 2005年9月 『XXX』再マスタリング終了

『XXX』にはキースとトリスの演奏がない!?

シカゴ、ついに新曲"FEEL"を披露!
キースも好感触!
10 2005年10月 ボビー・キンボールはコーラスのみ
11 2005年11月 秋ツアー後半ではさらなる新曲"CAROLINE"を披露!
『XXX』は春先リリース確定か?
『XXX』は、『トリプル・エックス』?『サーティ』?
『XXX』リリースは3月を予定!シングルも念頭
ウォルター、ビルボード・ドット・コムのインタビューに答える
12 2005年12月 『XXX』は2006年2月28日発売予定!
やっぱり、キースのギターはある?
13 2006年1月 ドウェインの『XXX』予想
『XXX』は3月14日以降に延期か
14 2006年2月 『XXX』国内盤は4月26日発売予定!
USA TODAYのインタビューにロバートとジェイ
ついに『XXX』のジャケットが公開されました!!
キース、"COME TO ME, DO"でワウワウ使用?
『XXX』収録曲、正式発表!全13曲!
"FEEL"アルバム・バージョン完全試聴!!
15 2006年3月 『XXX』、発売日が早まった!?
『XXX』全曲試聴開始!
ライノ・ビルの広告!!
『XXX』のブックレット裏表紙はロバートのアイデア
ジェイ・ディマーカスと『XXX』の関わり〜ファン・レターも!
必見!"FELL"のライヴ映像!!
"LOVE WILL COME BACK"もセットリスト入り
16 2006年4月 タワレコのモアーズ横浜店に『XXX』用ディスプレイ・スタンド
オフィシャルでFEEL"のフル映像!!!
ロバートのインタビュー付き"FEEL"映像
日本国内盤『シカゴXXX』ついに発売!!!
『28』『29』判明!
新星堂の横浜ポルタ店には"FEEL"のビデオ!
17 2006年5月 フォーラム休止のお知らせ
追加
18 2006年8月 ビル・チャンプリンが語る『XXX』製作秘話
19 2006年10月 ジミー・パンコウが語る『XXX』、そして、自己の音楽活動・・・
20 2007年3月 『XXX』の演奏クレジットについての追記
06 2005年4月
[ジェイ・ディマーカスが海外のシカゴ掲示板に書き込み!]
海外のファン・フォーラムでは、シカゴの新作『XXX』をプロデュースしているジェイ・ディマーカスが、カントリー・タッチのボーイズ・グループ、ラスカル・フラッツの一員であることから、「シカゴがカントリーになるの?」といった不安の声も聞かれました。

ですが、もちろん、違います。ロバート・ラムもこれを一笑に付していますし、今回のアルバム製作についてナッシュビルの音楽関係者を通じて情報を集めている元シカゴのドウェイン・ベイリーもキッパリこれを否定しています。むしろ、なぜそのように受け止められるのか不思議なくらいだというのが、製作者サイド全体の印象と見ていいでしょう。

そこで、そういったファンの不安な気持ちを鎮めようと、1人のプロ・ミュージシャンが海外のシカゴ掲示板にわざわざ書き込みをしてくれました。ほかならぬジェイ・ディマーカスその人です!

オーライ、みなさん。みなさんの不安を鎮めに来ましたよ。シカゴの新作は、どこをとってもカントリー・アルバムではありません。100%シカゴです。掛け値なしの。私の業界人生の中で、これほどお互いを尊敬し合いつつ、かつ、才能にもあふれているグループと仕事を共にしたことは、一度だってありません。今回のプロジェクトを指揮する立場にあったことは非常に名誉なことですし、すぐにでもまた次回作を手掛けたいと思っているくらいです。

私は(まあ、さすがに肩入れしてしまいますけど)、このアルバムは、バンドの音楽性についてみなさんが抱いている期待を凌駕するものと考えています。彼らが38年以上経った今でもなおロックであり続けていることを、私はまざまざと見せつけられました。それは、信じられないくらい幅の広い作品であり、そして、作詞面から演奏面、アレンジ面に至るまで、みなさんを惹きつけるアルバムとなっています。

私は、この『XXX』をプロデュースできることを誇りに思っています。そして、断固として言いたいのは、シカゴは語り尽くせない、ということです・・・


自らも大のシカゴ・ファン(とくに80年代)であるジェイ・ディマーカスならではの感慨深いコメントですね。

プロのミュージシャンがファン・サイトに書き込みをしてくれることも、中には、ないことはないのですが、それにしても、稀有な事例であることだけはたしかです。ありがとう、ジェイ!さすがシカゴ・ファン!

[ジェイ・ディマーカス、新作を語る]
海外のファンサイト情報です。

来たるべきシカゴの最新作『XXX』のプロデューサー、ラスカル・フラッツのジェイ・ディマーカスは、このほど、その新作について少し語ってくれました。

そこで推測される事実は、シカゴやその関係者が、“シカゴの再興を本気で考えていること”だと思います。

この点、ジェイ・ディマーカスは、「get them back on the radio」、「have a re-birth」という言葉を使っています。

もちろん、現段階では、大手レーベルとの契約の見通しは決して明るくなく、やや不安な面はあります。

しかし、音楽的には、近年の潮流も十分考慮し、シカゴが今できることを思いっきりやろう、という強い意気込みが伝わってくるのです。

実際、ジェイ・ディマーカスは、大手の出版社を廻って、傾向を調査し、膨大にあった候補曲をふるいにかけたそうです。甲斐あって、ジェイ自身は、目指す方向性に見合う曲ができた、という感触を得た模様です。

個人的な杞憂であればよいのですが、人によってはシカゴ側の思惑や収録曲などに対してマイナス評価を与える人もいることでしょう。しかし、彼らがミュージック・ビジネスの第一線に立っている期間は実に40年弱という異例の長さに及んでいます。私は、このことを考え合わせて、今のシカゴに接するべきですし、また、そうするしかないと思っています。

[キース、新作の印象]

キース・ハウランドは、来たる新作『XXX』の感想を語ってくれました。

これはまさにニュー・シカゴ・アルバムです。バンドの長年の歴史の中でも比類なき出来栄えであること請け合いです。曲のクオリティは抜群。音響は信じられないくらいのものとなっています。歌もグレート。なにしろ、各自のパフォーマンスが最高級なんです。ジェイ・ディマーカスは、バンドのポップな部分とアーティスティックな部分の両方をうまく捉え、素晴らしい仕事をしてくれました。それは、70年代とデイヴィッド・フォスター時代と最近の音楽とを1つにブレンドしたものとなっています。私同様、みなさんも本当にこのアルバムを気に入ってくれるものと思っています

07 2005年5月
[『XXX』ミキシング完了]
シカゴの新作『XXX』のプロデューサー、ジェイ・ディマーカスによると、先月4月末に、アルバムのミキシングが無事完了したということです。

同時に、続く5月初旬には、マスタリング作業に入るだろうとの見通しも示してくれました。いよいよですね。

ところで、ジェイは、ここに来て、ちょっとした不安も抱えているようです。彼の言葉はこうです。

あらためて素晴らしいアルバムと言うしかないでしょうね。私は心の底からみなさんが気に入ってくれることを願っています。でも、実際にみなさんに喜んでもらえるかどうかは不安でもあります・・・。ま、とにかく、世界屈指のバンドが新作を出すという事実を祝うことにしましょう!

なんの、なんの。ファンからすれば、一歩踏み出すことに力を貸していただけただけで、大感謝ですって。

[デニス・マトコスキーのライヴにビルとジェイソン&シカゴ新曲?]
海外の情報です。

シカゴ関係にも曲を提供しているミュージシャンのデニス・マトコスキーが主催したミニ・ライヴに、ビル・チャンプリンとジェイソン・シェフが参加しました。

このミニ・ライヴは、2005年5月18日、ナッシュビルにあるブルーバード・カフェという本当に小さいライヴ・ハウスで行われています。

「3テノール&ミー」と題したこのミニ・ライヴですが、主演はデニス・マトコスキーと見ていいと思います。つまり、≪ミー≫とは、デニスのこと。対して、≪3テノール≫は、ビル・チャンプリン、ボビー・コールドウェル、マイケル・センベロの大物3人を指しています。

推測の域を出ませんが、知名度の点ではこれら3人に及ばないデニス・マトコスキーの日頃の貢献に対して、彼と親交のあるアーティストたちが謝辞の意味を込めて、あえてデニスを中心とした、このような催しを開いたのではないでしょうか。

ちなみに、マイケル・センベロは、映画『フラッシュダンス』(83年)の挿入歌"マニアック"で有名な音楽家。この曲こそ、当のデニス・マトコスキーとの共作品なのです。なお、このとき共同プロデューサーに名を連ねていたのはあのフィル・ラモーンでした。

また、当日は、これにジェイソン・シェフが飛び入り。どうやら、ブルース・ガイチも少し演奏に加わっていたようです。さらには、ビルの息子ウィル・チャンプリンもマイクをとっています。


分かっている範囲での演奏曲は以下の通り(演奏順不明)。


WHAT KIND OF MAN WOULD I BE ?
ジェイソンとボビー・コールドウェルが夢の共演。作曲者はこの2人とチャス・サンフォード。

HEART OF MINE
ボビー・コールドウェルの持ち歌に、ジェイスンとビルもコーラス参加。ボビー・コールドウェル、ジェイスン、デニスの共作品。

AFTER THE LOVE IS GONE
ヴォーカルはなんとウィル・チャンプリン!

HEARTS IN TROUBLE
ウッソ〜的な選曲。映画『デイズ・オブ・サンダー』のサントラより。

PROUD OF OUR BLINDNESS
ビルのソロ作『THROUGH IT ALL』に収録されたビルとデニスの共作品。シカゴの未発表アルバム『STONE OF SISYPHUS』では"CRY FOR THE LOST"として収録。名称の先後は不明。

TIME WILL BRING YOU LOVE
サンズ・オブ・チャンプリンの曲。ビルは最近披露の機会多し。

TURN YOUR LOVE AROUND
ジョージ・ベンソンのヒットで有名なビルの共作品。


ところで、この日、真偽は不明なものの、どうも、来たるシカゴの新作『XXX』に“収録予定”または“選外”となった楽曲が早くも演奏されたのでは?という憶測が流れています。つまり、シカゴ・ファンでもビル・ファンでも聴いたことのなかった曲が披露されたようなのです!その憶測の対象となっている曲の名は"KIND OF MIGHT HAVE BEEN"とされています。ジェイソンのペンによるものと見られます。

[元TOTOのジョセフ・ウィリアムズもシカゴ新作に参加]
海外の情報です。

TOTOの元メンバー、ジョセフ(ジョー)・ウィリアムズも、来たるシカゴの新作のレコーディングに参加していることが判明しました。

これは、TOTOのオフィシャル・ウェブサイトが主催したチャットの中で、ジョセフ自身が回答したものです。

それによりますと、ジョセフ・ウィリアムズが参加した曲は、ジェイソン・シェフが作曲した曲だそうで、自らはデモ段階から吹き込みを行っていた模様です(注:のち、"KING OF MIGHT HAVE BEEN"であることが判明)。

なお、ジョセフ・ウィリアムズは、シカゴの『16』のトップ・チューン、"WHAT YOU'RE MISSING"の共作者でもあります。また、この曲の共作者ジェイ・グルスカとは以前義理の兄弟の関係にありました。

08 2005年8月
[『XXX』のリリースは10月か]
海外の情報です。

先頃、リー・ロックネインがGainesville.comの電話インタビューに答えたところによると、来たるシカゴのニュー・アルバム『XXX』は、10月頃のリリースが予定されているとのことです。

今年の後半あるいは今年の秋というアナウンスは今までもありましたが、月が特定されたのは今回がはじめてです。

[『XXX』発売は当面延期か]
ロバート・ラムが自身のオフィシャル・ウェブサイトで次のように語り、どうやら、今年10月に予定されていたシカゴのニュー・アルバム『XXX』の発売が来年に持ち越されそうだということが判明しました。

ミキシングとリマスタリングは思った以上に時間がかかってしまいました・・・。ですから、今年後半にリリースという目論見は浅はかでした・・・。バンドが動き出すのに約8週間かかるんですよ。つまり、ツアー興行が11月に終わり、1月までないですよね。その期間は休暇にあてられるというわけです。このシカゴの新作はまさに夏向けのアルバムです。う〜ん、どうですかねえ、3月15日頃にリリースされるんじゃないかと・・・。これはあくまで私の考えですよ!すごいアルバムを共に製作することにとてもエキサイティングしていると言ってくれていたお偉いさん方がひとたび前言を翻すと、また騒ぎ出すんですよねー。いずれにしろ、これは私のソロ・ワークに関連したことではありません!本質的にはジェイソン/ビル製です。

私は、今、次のロバート・ラム・アルバムを書くことに焦点をあてています。そのための時間もとる予定です。もっとも、来たる数ヶ月を家族と過ごすことが最優先となるでしょう

09 2005年9月
[『XXX』再マスタリング終了]
ドウェイン・ベイリーの情報です。

ドウェインが関係者筋から聞いた話によると、シカゴのニュー・アルバム『XXX』は、先頃、再びマスタリング作業を行ったとのことです(※ドウェインは、「Re-Mastered」という言葉を使っています。しかし、前後の文脈から考えても、これがはたして、いわゆるデジタル・リマスターのように旧譜の音質を向上させるためのリマスタリング工程と同様のものを指して言ってるのかまでは分かりませんでした)。

すでに少なくとも1回はマスタリング作業を終えているはずですが、今回この時期に来て、もう一度同じ作業を繰り返すことになりました。

なお、この事実は、以前ロバート・ラムが言及した指摘とも符合します。もっとも、このロバートのコメントに合わせるのなら、今回のマスタリング作業以外に、もう一度メンバーが集合する必要があるとみるのが至当のようです。

また、今回のマスタリングを担当したのは、ボブ・ラドウィッグという人物です。マスタリング業界ではかなり有名な人のようです。

以上の経緯についてドウェイン曰く、「これで来年まで出ない・・・」。

[『XXX』にはキースとトリスの演奏がない!?]
ドウェイン・ベイリーの情報です。

実は、来たる『XXX』においては、キース・ハウランドのギターを聴くことができません。キース・ファンの私としては、たしかに残念な話です。

しかし、私は、この件に関しましては、努めて触れぬよう腐心して参りました。なぜなら、その理由を全部説明し尽くすのは不可能ですし、かえって変な憶測が流れてもらっても困るからです。

ところが、今回、ドウェインが聞いた話によれば、「トリス・インボーデンのドラムスもない」というのです!もっとも、キースは下記のコメント中、トリスがドラムスを担当している旨を述べていますので、若干整合しない話ではあります。


はじめて聞いた方は、さぞ驚かれたことでしょう。疑問も感じられたことでしょう。海外のファンの間には、これらメンバーによる演奏がアルバム中で聴けないことを訝る声も少なくありません。

一応、各メンバーのコメントを日々追っていれば、分からないでもない経過でしたが、それを一から説明するのは至難の業です。

結局は、ロバートが述べたごとく、「最終的にはプロデューサーの決断」あるのみ、なのです。

そして、キース本人もこれを了解しています。たしかに、残念な気持ちはあるようですが、むしろ、最終テイクを録音したセッション・ギタリストたち(主にダン・ハフお声掛かりのトム・ブコヴァックなど)を尊敬しているくらいです。

トリスの感想はまだ分かりませんが、寛大なトリスのことですから、まず納得ずくのはずです。


つまりは、“現代のスタジオ・レコーディングは、以前のそれとは違う”というのが私の印象です。

その個人的印象を少し敷衍しますと、まず、アルバムを録音した今年の2〜3月は、すでにメンバーそれぞれの予定が決まっており、その間を縫うようにして製作されたため、スタジオに詰める時間が限られていた、という厳然たる事実があります。思えば、スタジオ入りは急でした。まったく新しい曲を一堂に会して演奏するにはやはり時間が足りなかったのかもしれません。

とはいえ、私の記憶が間違っていなければ、キースやトリスも、曲作りの最初期にあたる部分には関わっていたはずなのですが・・・(この点、メンバーも含め、数人が何トラックか録音して、それらの中から最適と思われるものを選んだということでしょうか)。


ま、いずれにしても、今回、アルバムに楽器演奏が録音されなかったとしても、キースやトリスがバンドを離れてしまうわけではありません。繰り返すようですが、こういう形のレコーディング作業というのは存在するのです。

とくにシカゴのようにスタジオ・ミュージシャンをリスペクトしているバンドにとっては、それほど重要な問題ではないようです。たとえば、近年でも、シカゴ・ホーンズが代役を交えながらステージに上がっている点も、今後のバンドのあり方、そして、ツアー・サポーターないしセッションマンとの関わりなどを考える上で大いに参考になろうかと思います。

とにかく、あらぬ誤解を生じるといけませんので、本人たちのオフィシャル・サイトでのコメントは直接ご確認なさってください。

[シカゴ、ついに新曲"FEEL"を披露!]

海外の情報です()。

2005年9月23日、シカゴの秋ツアーで、来たる新作『XXX』からの新曲"FEEL"がついに演奏されました!

これまでに入っている情報をまとめますと、9月21日(水)から始まったシカゴ単独の秋ツアーは、ラスベガスのスターダスト・ホテルで開幕。ここスターダストでは、4夜連続でシカゴの公演が行われます。

当初は、22日(木)に新曲"FEEL"を披露する予定だったのが、諸事情により、翌23日(金)に持ち越し。従って、この9月23日の公演が初お披露目となります。

リード・ヴォーカルをとるのはロバート・ラム。曲調はミドル・テンポないしスロー・テンポだったとのこと。曲は、外部のライターがメインに作ったものと言われています(注:のちに、ダニー・オートンとブレア・デイリーの共作であることが判明)。

観客の反応は当然、すこぶる良かったそうです。今回の反応で、いかにファンがこの瞬間を待っていたか、メンバーにも伝わったと思うのです。とにかく、来春の『XXX』リリースだけは実現してもらいたいものです。


ところで、以前、まだアース・ウィンド&ファイヤーとのジョイント・ツアーをやっていた頃、ファンの1人が共演曲"LET YOUR FEELINGS SHOW"を今回の新曲"FEEL"と勘違いした、ということがありました。この"LET YOUR FEELINGS SHOW"はアースの曲ですが、オープニングでシカゴと共に演奏されたのと、歌詞中に<feeling>という言葉が出てきたため、の微笑ましい事件でした。しかし、今回は、シカゴの単独公演での披露。まず、噂されるシカゴの新曲"FEEL"と見て間違いないでしょう。


それにしても、アースとのサマー・ジョイントが一段落して10日余り。秋ツアーでシカゴ単独公演となってから、セットリストがどう変化するのか気になっていたのですが、早速新曲を演奏してくれるとは・・・(全体の演奏曲目はまだ分かっていません)。しかも、日数からして、新曲の音合わせをする余裕はないだろうと思っていたのに、見事やってくれたというわけです。

なお、あるファンが、たまたま23日の午後、当夜用のリハーサル風景をのぞき見できたようです。しかし、見付かってしまい、追っかけられたとか(笑)。このとき何のリハーサルをしていたのかは知る由もありませんが、やはりギリギリまで入念に打ち合わせが続いていたのではないでしょうか。


フル・ニュー・アルバムからのシングル演奏は、一体いつ以来でしょう―――。"HERE IN MY HEART"はベスト盤からでしたし、"THE PULL"に至っては、アルバム自体が未発表となってしまいましたしね。。。

[キースも好感触!]
新曲"FEEL"のライヴ・パフォーマンスでは、キース・ハウランドの派手なギター・プレイもあったようです。 そのキースが自身のオフィシャル・ウェブサイトで、演奏時の感想を語ってくれました!

みんなが新曲を気に入ってくれてうれしいよ!そうなんだ、僕たちはいつもと違うことをして楽しんだんだ。将来的には別の新曲もセットリストに追加していきたいよね!

10 2005年10月
[ボビー・キンボールはコーラスのみ]
海外の情報です。

以前、アーカイヴズ[2005年2月]において、シカゴのジェイソン・シェフとTOTOのボビー・キンボールが楽曲を共作しているのでは?というニュースをお伝えしましが、どうやら、ボビー・キンボールは、 曲作り自体には関わっていないことが明らかとなりました。これは、ボビー・キンボール自身がファンからの質問にそう答えてくれたものです。

もっとも、同時に、コーラスには参加している旨も述べてくれました。2人は家族ぐるみで15年ほどの付き合いがあるそうです。また、「完成版を聴くのが待ちきれないよ!」ともコメントしてくれています。ボビー・キンボールも、『XXX』が来年3月頃の発売になると把握しているようです。

2005年11月
[秋ツアー後半ではさらなる新曲"CAROLINE"を披露!]
海外の情報です()。

11月4日のカナダのラマ(トロント)公演では、"FEEL"に続く、『XXX』からの新曲"CAROLINE"が披露されました!

この日、多くのファンは、もちろん、9月から話題に上っていた"FEEL"を聴くのを楽しみにしていました。ところが、上記のようにまったく別の新曲を耳にすることになり、驚きに驚いたようです。

曲調は、一見カントリー調のイントロで始まりものの、そこはシカゴ。全編がカントリーになるわけではありません。その点は請け合えるようです。

ロバート・ラムは、「来たる『XXX』からの新曲です」と前置きして、この"CAROLINE"の演奏に入ったとのこと。ある程度、発売のメドは立ったのでしょうか?とにかく、ますます本腰モードだということを実感します。待ち切れません!

[『XXX』は春先リリース確定か?]
海外の情報です。

11月6日のニューヨーク州ベローナ公演にて、ウォルター・パラゼイダーの新作に関するMCがありました。その中で、ウォルターは、「シカゴの『XXX』は、来年の春先にもリリースされることでしょう。我々は、過去のどのアルバムにも劣らないその出来栄えを誇りに思っています」と述べてくれたようです。

具体的な日付やレーベルはいまだに発表されていませんので、あわてないでください。しかし、こうもハッキリと新曲がライヴで披露される状況では、否が応でも期待が高まりますよね。メンバーも、あとは最後の詰めを残すのみと思っているのでしょう。しかし、この“春先”というのが一体何月を指すのか、それが微妙なんですよねえ〜。

[『XXX』は、『トリプル・エックス』?『サーティ』?]
海外の情報です。

今年はじめに、来たる新作『XXX』の録音に入った頃は、ロバート・ラムは、たしかに、『XXX』のことを「トリプル・エックス」と呼んでいました。

ところが、この11月の秋ツアー後半では、ロバートも含め、他のメンバーたちも、「サーティ」と呼んでいます。

一体どちらなんでしょう・・・?

[『XXX』リリースは3月を予定!シングルも念頭]
海外の情報です。

現地時間の11月15日、シカゴのメンバーがラジオ番組に出演しました。そこで、新曲"FEEL"のスタジオ・バージョンが流れたそうです。つまり、これが初オンエアとなります!

[Photo by WPLJ]

この写真からはビルがいたかどうかだけ分かりません。ちなみに、ジミーは静養中です。 ジミーは、口のあたりに治療を要するような症状が発生してしまったと聞いています。


ここで重要な発表がありました。

ウォルター(ロバート説あり)によれば、アルバム『XXX』のリリースは2006年の3月を予定、しかも、2月には先行してシングルを発売する意向でいるようです。

ライヴ中のMCに続いて、ラジオ番組でもこれほどハッキリ言及するということは、やはり本決まりと見ていいのではないでしょうか。

Back on the radio!」。これが今回シカゴの新作製作に関するキーワードでした。プロモーションでも本腰を入れてもらえるとうれしいですよね!

[ウォルター、ビルボード・ドット・コムのインタビューに答える]
ビルボード・ドット・コムがウォルター・パラゼイダーにしたインタビュー記事が、11月16日付で掲載されています。

タイトルは、「Flatts Bassist Urges Chicago Back Into Studio」。来たるシカゴのニュー・アルバム『XXX』をプロデュースしたラスカル・フラッツのベーシスト、ジェイ・ディマーカスがいかにシカゴをスタジオに向かわせたか、という視点から切り込んでいます。昨年末から、シカゴの動きを察知していた私としては、実に的確な表現だと思いました。

さて、以下がそのやりとりです。


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「Flatts Bassist Urges Chicago Back Into Studio」 ビルボード・ドット・コム

シカゴは、1991年の『21』以来、全曲オリジナルのフル・レングス・アルバムを出してはいないが、その目は、春先に予定されているニュー・スタジオ・アルバム、その名も『サーティ』の発売日に注がれている。レーベルはまだ決まっていないが、アルバム自体はラスカル・フラッツのベーシスト、ジェイ・ディマーカスがプロデュースしている。

シカゴの現行ラインナップは、オリジナル・メンバーのロバート・ラム、ウォルター・パラゼイダー、リー・ロックネイン、ジミー・パンコウに、途中加入のビル・チャンプリン、ジェイソン・シェフ、トリス・インボーデン、キース・ハウランドを加えた陣容だ。

私たちは、今年の初めにアルバムを録音しました」とパラゼイダーはビルボード・ドット・コムに語ってくれた。「今回のアルバムについては、本当に誇りに思ってるね。我々にとっては多少違うひねりが加わっているわけだけど、単なるお飾りじゃないよ。製作、作詞作曲、ヴォーカル・パフォーマンスなどは今風のものさ。もちろん、シカゴ流の味付けでね

彼は続ける。「ディマーカスは言うんだ、『“エレメンツ”は維持したい。ホーンやバンド内のヴォーカリストをなくしちゃいけない。だって、それがシカゴでしょ。だけど、僕は多少それを拡大して行きたい』ってね。エキサイトしているという点では、69年や70年に最初の数枚のアルバムを作ったときに匹敵するね。エキサイティングなこと、我々の最大限を引き伸ばしてくれたこと――、ディマーカスはそういった仕事をしてくれました」。

収録曲の中には、シングルの可能性を秘める"FEEL"(すでにライヴではセットリスト入りしている)、"CAROLINE"、"KING OF MIGHT HAVE BEEN"などがある。「アルバムには、へヴィなロックンロールも、R&Bも、バラードもあるよ。だけど、我々は、"HARD HABIT TO BREAK"フォーミュラから離れようとしたんだ」と、元シカゴのピーター・セテラがヴォーカルをとる1984年のNO.3ヒットを引用しながら、パラゼイダーは語った。

シカゴの現在のツアーは12月10日のテキサス州のコーパス・クリスティ公演まで続く。「我々は、アース・ウィンド&ファイヤーとの2年間にわたるジョイント・ツアーを終えたばかりです。これは各地でとても盛況でした」とパラゼイダーは言う。「そうそう、知らないだろうけど―――、彼らとはまた2007年あたりにでもやるかもしれないよ。来年のサマー・ツアーは、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとやろう!なんて話も出てるよ。もっとも、メインは『XXX』だ。私たちはとてもエキサイトしているよ。アルバム作りはメチャクチャ楽しかったし、驚くほど大量の時間をかけたというわけでもなかったからね」。

残念ながら、バンドと、1985年に脱退したセテラとの間の関係は無しのつぶてのままだ。「ぶっちゃけ、何の連絡もないんだよ」とパラゼイダーはそのことを認める。「彼はバンドという枠組みの中ではあまりハッピーじゃなかったんだ。そのためにバンドもハッピーじゃなくなるのなら、そういう人がいること自体、バンドにとっても良くなかったんだろうね。だから、それぞれの道をたどって良かったんだと思う。そのことで思うのは、幸運にも我々は恵まれているということだ。これで39回目(訳者注:結成した67年を初年とする)のツアー・シーズンを迎えたんだ。一年だって休んだことはないよ。本当に幸運なことだと思っているね」。

2005年12月以降