ディスコグラフィ   サンズ・オブ・チャンプリン(08)

LIP LI'L DREAMS (2005/8)
SONS OF CHAMPLIN

曲目 ヒップ・リル・ドリームズ
サンズ・オブ・チャンプリン
総評

試聴♪

Produced by

BILL CHAMPLIN & GARY PLATT

Co-Produced by

TOM SAVIANO (06、10)

曲目 <国内盤未発売のため、邦題は単純にカタカナ表記にしてあります>
01 FOR JOY (New Version) フォー・ジョイ (ニュー・バージョン)
02 DREAM ON ドリーム・オン
03 I'M NOT YOUR LOVER アイム・ノット・ユア・ラヴァー
04 SWIM (New Version) ザ・スイム (ニュー・バージョン)
05 HIP LI'L DREAMS ヒップ・リル・ドリームズ
06 SOUL EXPLOSIONS ソウル・エクスプロージョンズ
07 BRING HOME THE GOLD ブリング・ホーム・ザ・ゴールド
08 MAYBE メイビー
09 STAR OUTA' YOU スター・オッタ・ユー
10 "74" “74”
11 LIGHT UP THE CANDLES
(New Version)
ライト・アップ・ザ・キャンドルズ
(ニュー・バージョン)
総評

サンズ・オブ・チャンプリン、28年振りのスタジオ・アルバム『HIP LI'L DREAMS』ついにリリース!

もともとこのアルバムは、4年前の2001年頃に録音されました。それが今の今になってようやくCDとして発売されることになったのです。

ゲストに、トム・ジョンストン、ボビー・キンボール、ブルース・ガイチらを迎えた豪華セッション。また、タマラ夫人と息子ウィルも参加している点も見逃せません。

なお、ビルが、サンズのオフィシャル・フォーラムで、今回の新作について語っていてくれていますので、そちらもあわせてご覧ください。


サンズ・オブ・チャンプリンは、ビル・チャンプリンがシカゴ加入前に結成していたバンド。ビルは、77年に『LOVING IS WHY』をリリースした後、グループを去り、ソロ活動に転じます。そして、その後、82年にシカゴに加入するのでした。

しかし、90年代に入って、シカゴのアルバム・リリースがスローダウンすると、反射的にメンバー個々の活動が盛んになり出します。ビルも、97年に、かつてのサンズを復活させます。そして、このレコーディング作業に入ったわけです。

収録曲には、過去の作品のリメイクや、上記のような多彩なゲストとのセッションが楽しめるとあって、実に話題豊富な作品となっています。

歌詞
01

FOR JOY (New Version)
フォー・ジョイ
 (ニュー・バージョン)

BILL CHAMPLIN

オリジナルは第4作『WELCOME TO THE DANCE』に収録。

02
DREAM ON
ドリーム・オン
BILL CHAMPLIN ANDREAS CARLSSON DOUGLASS CARR

03

I'M NOT YOUR LOVER
アイム・ノット・ユア・ラヴァー

TAMARA CHAMPLIN MICHAEL CARUSO DENNIS MATKOSKY

04

THE SWIM (New Version)
ザ・スイム
 (ニュー・バージョン)

BILL CHAMPLIN

オリジナルは第4作『WELCOME TO THE DANCE』に収録。

05

HIP LI'L DREAMS
ヒップ・リル・ドリームズ

BILL CHAMPLIN BRUCE GAITSCH

06

SOUL EXPLOSIONS
ソウル・エクスプロージョンズ

BILL CHAMPLIN TOM SAVIANO

07

BRING HOME THE GOLD
ブリング・ホーム・ザ・ゴールド

BILL CHAMPLIN

08

MAYBE
メイビー

BILL CHAMPLIN

ライヴ・アルバム『SECRET』にも収録。

なお、今回、この『HIP LI'L DREAMS』の製作に関わったDIG Musicのスタッフのコメントによれば、ビルは、この曲を、コールド・ブラッドのリディア・ペンスを念頭に置いて書いたということです。コールド・ブラッドはサンズ・オブ・チャンプリン同様、60年代から70年代にかけて、サンフランシスコのベイエリア・シーンで活躍したグループで、リディアはその紅一点ヴォーカルです。久々のアルバムをリリースした点もサンズと共通しています(2005年9月)。

09

STAR OUTA' YOU
スター・オッタ・ユー

BILL CHAMPLIN

10
"74"
“74”
BILL CHAMPLIN TOM SAVIANO GEOFF PALMER

11

LIGHT UP THE CANDLES (New Version)
ライト・アップ・ザ・キャンドルズ (ニュー・バージョン)

BILL CHAMPLIN

オリジナルはビル・チャンプリンのソロ第4弾『THROUGH IT ALL』に収録。

では、なぜ、この曲がサンズの曲として再録されたのでしょう?

ビルの上記ソロ・バージョンは、94年に製作されています。この曲は、もともと、あるハッキリとしたメッセージを含んでいたのでした。

≪キャンドルを灯して、銃を置くんだ。そうしなければ、愛なんてやって来ない≫と。つまり、これは、戦いをやめさせるための歌です。少なくとも、私にはそう映りました。

しかも、見様によっては、信仰やナショナリズムのために命を落としていく兵士たちへの鎮魂歌とも受け取れますし、あるいは、彼らを指揮する指導者たちへの怒りあふれる痛烈な批判にも映ります。しかし、それをアコースティック調で重々しく語るように歌って行くので、余計、心に訴え掛けてくるものがあります。

本アルバムが発表された94年といえば、かの湾岸戦争(91年)が終わってから3年目に当たります。この間にも、ビルは『BURN DOWN THE NIGHT』(92年)をリリースしていますから、当初、私は、湾岸戦争の影響がこの曲に直接反映されたといえるかは微妙なところだと推考していました。

ところが、2006年9月、ビル・チャンプリン本人が、この曲に関するコメントを自身のフォーラムに書き込んでくれたのです。その後、2010年8月28日にも同様のコメントを投稿してくれています。それらによりますと、やはり、この曲は、1991年の湾岸戦争のあたりに書かれ、しかも、サダム・フセイン・タイプの独裁者を指標として書かれたものだそうです。なるほど、これで話がつながりました。

他方、ビルの叫びも空しく、正義を振りかざす戦いは、昨今も一向に止む気配はありません。

そして、今回、このサンズの『HIP LI'L DREAMS』が実際に録音されたのが、4年前の2001年と言われています。同年9月11日には、例の同時多発テロがアメリカを襲いました。続いて、その報復のため、アメリカはイラクに派兵します。

本アルバムの録音は、まさに、こうした時期と重なっていたのです。そこで、あらためて、上述したビルのメッセージがアルバムに込められたわけです。

ソロでもサンズでも、アルバムの最後にこの曲を持って来たのは、決して偶然ではないのです。