ディスコグラフィ   シカゴ(02)

CHICAGO (1970/1)
CHICAGO

曲目 シカゴと23の誓い
シカゴ
総評

試聴♪

Produced by JAMES WILLIAM GUERCIO

曲目
01 MOVIN' IN ぼくらは何処へ
02 THE ROAD ぼくらの道
03 POEM FOR THE PEOPLE ぼくらの詩
04 IN THE COUNTRY ぼくらの国
05 WAKE UP SUNSHINE 朝日よ輝け
<06〜12>
BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON

バレエ・フォー・ア・ガール・イン・バキャノン
06 MAKE ME SMILE ぼくらに微笑みを
07 SO MUCH TO SAY, SO MUCH TO GIVE 言いたいことが沢山
08 ANXIETY'S MOMENT 不安の日々
09 WEST VIRGINIA FANTASIES ウェスト・バージニアの幻想
10 COLOUR MY WORLD ぼくらの世界をバラ色に
11 TO BE FREE 今こそ自由を
12 NOW MORE THAN EVER 愛は限りなく
13 FANCY COLOURS 空想の色
14 25 OR 6 TO 4 長い夜
15 PRELUDE 夜明けのプレリュード
16 A.M. MOURNING 朝の祈り
17 P.M. MOURNING 午後の祈り
18 MEMORIES OF LOVE 愛の記憶
<19〜22>(23までという説もあります)
IT BETTER END SOON

栄光への旅路
19 1ST MOVEMENT 第1楽章
20 2ND MOVEMENT 第2楽章
21 3RD MOVEMENT 第3楽章
22 4TH MOVEMENT 第4楽章
23 WHERE DO WE GO FROM HERE 約束の地へ
<ライノ再発盤ボーナス・トラック>
24 MAKE ME SMILE (Single Version) ぼくらに微笑みを
(シングル・バージョン)
25 25 OR 6 TO 4 (Single Version) 長い夜 (シングル・バージョン)
総評

01
MOVIN' IN
ぼくらは何処へ
JAMES PANKOW

02
THE ROAD
ぼくらの道
TERRY KATH

03

POEM FOR THE PEOPLE
ぼくらの詩

ROBERT LAMM

04

IN THE COUNTRY
ぼくらの国

TERRY KATH

05

WAKE UP SUNSHINE
朝日よ輝け

ROBERT LAMM

BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON
バレエ・フォー・ア・ガール・イン・バキャノン

06から12にかけての連作の表題。

この≪BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON≫という組曲タイトルは、ジミーが当時付き合っていたガール・フレンドにちなんで命名されたそうです。

しかも、彼女の住まいは、ウェスト・バージニアにあるバキャノン。すなわち、一連の曲名をご覧いただければ判明しますように、本連作は、この彼女との関係を描写したものとなっています。

ところで、このバキャノンは、正確には≪BUCKHANNON≫とつづるのだそうです。つまり、アルバムには、“K”の文字が抜けているのです。これは、発売当時からのミスプリントでして、以後もずっとそのままになっています。

06
MAKE ME SMILE
ぼくらに微笑みを

JAMES PANKOW

本作は、"BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON" という12分にも及ぶ連作の序章に位置します(スペル・ミスにつき同項目参照)。

内容は、幸せな歌、失恋の歌、どちらともとれるような気がしますが、肝心なのは、この曲が連作の一部だということ。"BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON"を全体を通して聴くと、主人公が悩みながら気付いていく過程が描かれています。結局、いずれの心情を歌ったものなのかは分かりません。むしろ、その葛藤の過程を綴った作品なのかもしれません。

この曲のシングルは、グループ初のトップ10ヒットを記録し(1970年6月6日、13日、第9位)、輝けるシカゴのシングル・ヒストリーの足掛かりを築きます。作者のジミーは、車の運転中にラジオから流れてきたこの曲に狂喜乱舞したとか。

07
SO MUCH TO SAY, SO MUCH TO GIVE
言いたいことが沢山
JAMES PANKOW

08

ANXIETY'S MOMENT
不安の日々

JAMES PANKOW

09

WEST VIRGINIA FANTASIES
ウェスト・バージニアの幻想

JAMES PANKOW

10
COLOUR MY WORLD
ぼくらの世界をバラ色に
JAMES PANKOW

"MAKE ME SMILE"で付きつ離れずの関係を感じ、続く、"SO MUCH TO SAY, SO MUCH TO GIVE"で葛藤し、さらに"ANXIETY'S MOMENT"というインストゥルメンタルで文字通り不安の日々を過ごし、同じインストゥルメンタルの"WEST VIRGINIA FANTASIES"で少し気分が高揚し、そして、落ち着いたところで、本曲"COLOUR MY WORLD"を迎えます。

この曲は、深いピアノのイントロで始まりますが、ジミーに言わせると、この部分はバッハの影響だそうです。また、テリーのヴォーカルもまろやかで、しっとりと聴かせてくれます。

いろいろ悩み挙げた末、≪僕はやっと気付いたんだ。キミが僕にとってどんな存在か≫、≪キミを愛する希望で僕の世界を色付けておくれ≫という願いが込められているようです。邦題の“バラ色に”とはよく考えたものです。この辺の当時の邦題センスには頭が下がります。

ところで、この曲も、一応記録上はシングル・カットされたことになります。とはいっても、はじめは"MAKE ME SMILE"のB面シングルとして(70年3月)、2回目はともに再発だった"BEGINNINGS"との両面シングル扱いでした(71年6月)。つまり、単独A面シングルという形ではなかったのです。詳しくはこちらをご覧ください。

11
TO BE FREE
今こそ自由を
JAMES PANKOW

12

NOW MORE THAN EVER
愛は限りなく

JAMES PANKOW

13

FANCY COLOURS
空想の色

ROBERT LAMM

この曲の幻想的なイントロは、のちに作られた"SAD OLD HOUSE"という曲の中でサンプリング使用されています。この"SAD OLD HOUSE"は、ロバートのソロ第3弾『IN MY HEAD』を改題・再発した『TOO MANY VOICES』というアルバムに、ボーナス・トラックとして追加収録されたものです。

14
25 OR 6 TO 4
長い夜
ROBERT LAMM

この曲は、 前シングル・カット曲"MAKE ME SMILE"の勢いに乗って、1970年7月25日にその週のホット・ショット・デビューを飾ります(初登場第50位)。そして、9月12日に最高位第4位を記録しました。

特筆すべきは、アメリカ国内のほか、世界中で大ヒットしたという点です。もちろん、日本でも爆発的にヒットしました。

初期のシカゴの曲として、これほどすぐ名前が挙がり、浸透している曲は他にないように思われます。とにかく、♪デ、デ、デ、デ、デンという強烈なイントロ。これだけで大抵の方が「ああ、知ってる!」と連想していただけるはずです。

うねり狂うテリーのギター、シャウトするピーターのハイトーン・ヴォーカル、そして、ロバートの奇々怪々なタイトリング。この各種の要素が当時のロック小僧&少女のハートを鷲づかみにしたであろうことは想像にかたくありません。

ちなみに、この"25 OR 6 TO 4"は、≪twenty five or six to four≫と発音します。その意味については、当時様々な憶測を呼びましたが、4時25〜6分前という夜中の時間のことを指しています。作者のロバート・ラムが寝つけないさまを書き綴った作品だということです。

また、この曲では、ギターとホーン・セクションのバランスが絶妙です。曲自体の印象が強いため、見過ごしがちですが、この点はかなり重要なポイントだと思います。

ところで、上記のように、この曲のヴォーカルを務めたのはピーター・セテラでした。しかし、作者であるロバート・ラムが、2004年2月4日に行ったソロ・コンサートにおいて、自身のヴォーカルでこの曲を演奏しているのです!その模様は『LEAP OF FAITH』というソロ・ライヴ・アルバムに収録されていますので、ぜひお手元に!!

15
PRELUDE
夜明けのプレリュード
TERRY KATH PETER MATZ

16
A.M. MOURNING
朝の祈り
TERRY KATH PETER MATZ

17

P.M. MOURNING
午後の祈り

TERRY KATH PETER MATZ

18

MEMORIES OF LOVE
愛の記憶

TERRY KATH

IT BETTER END SOON
栄光への旅路

19から22にかけての連作の表題。

19

1ST MOVEMENT
第1楽章

ROBERT LAMM

20
2ND MOVEMENT
第2楽章
WALTER PARAZAIDER ROBERT LAMM

21

3RD MOVEMENT
第3楽章

TERRY KATH ROBERT LAMM

22

4TH MOVEMENT
第4楽章

ROBERT LAMM

23

WHERE DO WE GO FROM HERE
約束の地へ

PETER CETERA

<ライノ再発盤ボーナス・トラック>
24
MAKE ME SMILE (Single Version)
ぼくらに微笑みを (シングル・バージョン)
JAMES PANKOW

70年3月発売当時のシングル・バージョン。

9作目『シカゴIX 偉大なる星条旗』(75年)、23作目『THE HEART OF CHICAGO 1967-1997』(97年)に収録されている"MAKE ME SMILE"も、このシングル・バージョンです。

ところが、27作目『シカゴ・コンプリート・ベスト』(02年)に収録されたバージョンは、上記のシングル・バージョンとも異なり、"New Edit"と称される新しい編集が施されています。

その他この曲の私的感想はこちら

25
25 OR 6 TO 4 (Single Version)
長い夜 (シングル・バージョン)
ROBERT LAMM

70年6月発売当時のシングル・バージョン(2分53秒)。これのCD化はおそらく初ではないでしょうか(違うかな?)。

但し、当時の日本向けシングル・レコードの分数を見ると、3分15秒という表記がなされており、この表記通りであれば、アメリカ国内向けよりも微妙に長かったことになります。

なお、27作目『シカゴ・コンプリート・ベスト』(02年)には、オリジナルのアルバム・バージョン(4分58秒)が収録されています。

このシングル・バージョンの特徴は、途中、テリーのギターが欲求不満になるほど唐突にカットされている点・・・。

その他この曲の私的感想はこちら