ディスコグラフィ　　　シングル

ELECTRA GLIDE IN BLUE　(1973)
SOUNDTRACK
・曲目 グライド・イン・ブルー
サウンドトラック
・総評

・試聴♪
Produced by JAMES WILLIAM GUERCIO
cf. 映画『グライド・イン・ブルー』は、２００３年に一度DVD化されました（上段）。

ところが、２００６年１月１８日に、このDVDは『コレクターズ・エディション』として再発されました（下段）。しかも、その特典として、当時のサウンドトラックがCD化されています。これは世界初のことで、当然、この"TELL ME"も収録されています！
（情報提供：TLさん）

TELL ME
テル・ミー
JAMES WILLIAM GUERCIO
Song by TERRY KATH
Performed by CHICAGO

１９７３年、アメリカで公開された映画『ELECTRA GLIDE IN BLUE』の同名サントラに収録されていた曲です。日本でも、翌７４年に『グライド・イン・ブルー』としてユナイトから配給されてます。

この映画は、シカゴのプロデューサーとして有名なジェイムズ・ウィリアム・ガルシオが監督した作品で、シカゴのメンバーも、リー・ロックネイン、ウォルター・パラゼイダー、ピーター・セテラ、テリー・キャスがそれぞれ出演してます。みな当時のヒッピー役ですが、テリーだけは最後に重要な役どころを任されています。

映画の内容は、７０年代初頭、アメリカの片田舎に住む、ある若い警察官（俳優：ロバート・ブレイク）が花形部署への転身を夢見て事件を追うも、現実の化けの皮が剥がれるのを目前にして幻滅、挫折するというものです。

ここに≪ELECTRA GLIDE≫とは、当時の若者の憧れ、ハーレーのオートバイのことを指しています。ところが、主人公は、相棒の警察官がこのスペシャル・バージョンを手にしたことに疑問を抱き、そして、苦悩し、やがて彼は―――というのがこの映画の展開です。これ以上の説明はもちろん、ここでは致しません。


一時、VHSビデオ（輸入盤）がレンタルできた時期がありましたが、製作から３０周年の節目にあたる２００３年８月についにDVD化されました。とにかく、画がとても綺麗なことに感動します。チャプターごとに呼び出せる機能も非常に便利です。特典で様々な資料画像が包含されており、解説も豊富です。まだ観たことのない方は、これらも併せて、ぜひご覧になってみてください。

さらに、２００６年１月１８日に、このDVDは『グライド・イン・ブルー　コレクターズ・エディション』として再発されました。“コレクターズ・エディション”と題する所以は、その特典として、当時のサウンドトラックがCD化されていることにあります。つまり、この"TELL ME"が世界初CD化されたわけです（情報提供：TLさん）。当然、ファン必須のアイテムとなりました。


さて、一方、肝心のこの"TELL ME"という曲のことですが、当時の日本盤シングル・レコードには、「作ジェイムズ・ウィリアム・ガルシオ、演奏シカゴ、歌テリー・キャス」というクレジットがなされています。

そのためか、今のところ、シカゴ名義のCDの中には依然として収録されていません。サウンドトラック単体のCD化も現段階では実現されていません。もっとも、上記のように、DVD『グライド・イン・ブルー　コレクターズ・エディション』には、そのサウンドトラックCDが同梱されています。その他、２００１年には、LPの形で復刻されていたことが知られています。


曲の内容は、初期のシカゴに見られた、若者の苦悩、叫びといったものが織り込まれており、かすかに神に祈って救いを求めるところに希望を見出す、そんな作品です。

これをテリーがあのソウルフルで深みのあるヴォーカルをもって歌い上げてくれています。さらに、後半に延々と続く≪God Bless America≫という迫力あるコーラスを提供してくれているのは、かのポインター・シスターズ。彼女たちとは、のちのシカゴの『シカゴVII（市俄古への長い道）』やロバートのソロ第１弾『SKINNY BOY』などにおいても共演を果たすことになります。テリーの悲痛なまでのヴォーカル・スタイルとあいまって、両者の共演はまさにゴスペル調の荘厳さを演出しています。しかも、演奏時間が７分４１秒とロング・プレイなので、壮大なスケール感を与えてくれます。映画のラストに流れるのですが、とても印象深く響きます。

また、シングル・レコードのB面には、"PRELUDE"というインストゥルメンタルが収録されています。これがなかなか秀逸な曲なのです。アルバム『シカゴVII（市俄古への長い道）』あたりを彷彿とさせるミディアム・ジャズといった作風で、こういうのをもっと聴きたいと思うのは私だけではないでしょう、きっと。

なお、"TELL ME"はエンディングで、B面の"PRELUDE"は劇中にて使用されています。


ところで、幼くして父テリー・キャスを失った愛娘ミッシェル・キャス（現シンクレア）は、２００７年になってはじめてこの映画を見、またこの曲を聴いたのだそうです。そのときの感想を自身のブログに次のように語ってくれました。

ELECTRA GLIDE IN BLUE　　ミッシェル・シンクレア
２００７年８月１３日付

「テリーのお友達のみなさん、こんにちは。

myspace仲間から、この写真（※）を頂いたわ。すごくない？初めて見たわ。それで、みなさんにも御紹介したくなったわけ。

先週、『グライド・イン・ブルー』を借りたの。この写真同様、見たことがなかったわ。もちろん、パパを見るためよ。最後の方に出てるだけなのね。ま、とにかく、全部見たわ。すっかり楽しめたし。だけど、私にとってのハイライトは、テリーが出てきたとき。何てカッコイイの！こんなカッコイイ一面も持っていたのね。

それから、映画が終わるにあたって、ものすごく素晴らしい曲が聞こえてきたわ。パパが歌う"TELL ME"よ。もう一度言うけど、今まで聴いたことがなかったの。彼の声は格別ね。真の神からの恵みだわ。

言うまでもなく、この曲に夢中よ。ぜひ映画とサントラをチェックしてみてね。

テリー・キャス・ファンとして、みなさんは、私がこの曲を知らなかったなんて、馬鹿げていると思うかもしれないわね。だけど、私が幼少の頃に先立った人に向き合うのは、実に時間のかかることなのよ。

テリーの映画に感動しているわ。彼の写真や彼との思い出を持っている人たちとコミュニケーションできることにも。人生で初めて、ほとんど知らなかった人たちに会いたいと思うようになったわ。

（ティッシュで小休止）

ギターの話題に変えましょう！前回のブログで、どこに行ったか分からなくなったギターのことを書いたわよね。そうなのよ、ごめんなさい、テレキャスターのことよ、ギブソンじゃなかったわ。

今日はここまで。また書くわね」


※上記URL中にある、テリー、ロバート、ピーターによる録音風景の写真。



余談ですが、上記「試聴♪」欄にもリンクしてある海外のドラマのファン・サイトにもあるとおり、この"TELL ME"は、アメリカのテレビ・ドラマ・シリーズ『マイアミ・バイス』の「FREEFALL」という回において、挿入歌として使用されました（１９８９年５月２１日放映）。

のちに色々と続編的なものが放映されたようですが、テレビ・シリーズとしては、一般にこの回が最終話とされています。本曲が使用された経緯は不明です。しかも、この頃にはすでに日本での吹き替え放映は終了していました。

曲は、ソニー刑事とタブス刑事が別れるシーンで使用されます。以降、ソニーがタブスを空港まで送る途上、回顧シーンを織り交ぜ、延々と５分以上流れます。さながら、この"TELL ME"のプロモーション・ビデオのようです。

同シリーズは、私も大好きなアメリカ・ドラマでした。順次DVD化されていますが、ついに２００７年９月１３日に、この回を収録した『シーズン５』が発売されます！


末尾に、じみぱんさんから歌詞の全容を教えていただきましたので、これを掲載したいと思います。しかし、本当はこのようなホームページへの無断掲載は禁止されていますので、ご注意ください。私も、版権者に許可を取りたいのですが、どう取っていいのか分かりません。ですから、違法かつ暫定的な掲載であることをご承知置きください。なお、歌詞は一部追記・整理してあります。


最後に、この曲を聴く機会を与えてくださったtazyaさん、ならびに、歌詞を教えていただいたじみぱんさんにはこの場をお借りして厚く御礼を申し上げたいと思います。


Tell me about the sun
Tell me about the rain
Tell me about the fields
Tell me about the plains

Will they come again
I don't know
Will they ever come again
I don't know

God above
Is there not anything that we might do
To try and make this world of ours
A better place for me and you

Oh tell me all about man
Oh tell me so I can understand
Tell me, somebody, all about wars
Please try 'n' tell me just how much more

Oh pray it's not too late, oh no
Please everybody, everybody, everybody
Pray it's not too late
It's not too late, ooo

Come on, mmm, yeah come on
Let out a prayer once
Come on
Say a prayer for peace

God Bless America today
God Bless America today

For all the brothers, sisters, mothers, fathers, all

God Bless America today
God Bless America today

Please everybody can't you see

God Bless America
God Bless America today

God Bless the sisters
God Bless the brothers
God Bless the fathers

Peace today, we gotta work

God Bless the mothers
God Bless the children
God Bless everybody
God Bless the world today

God Bless America
God Bless America today

God Bless America
God Bless the world

Oh yeah