本アルバム『シカゴ19』のリリースに先駆けて、88年5月にシングル・カットされた曲。
シングル・カット当時、日本では、この曲のビデオ・クリップを観ることはほとんどなかったと言っていいでしょう。一応は製作されたのですが、なぜか放映の機会に恵まれなかったのです。
ビデオの内容は、コンピューター・グラフィックの画をバックに男女が踊り、シカゴの面々がタキシード姿で歌い添える、という何とも言えないものでした。それが赤面を強いたのかどうかは分かりませんが、ワーナーから発売されたビデオ・クリップ集『ハート・オブ・シカゴ ザ・ビデオ〜素直になれなくて〜』にも収録されませんでした(2005年4月にDVD化されましたが、収録内容はVHSと同一で、やはり本曲のビデオ・クリップは含まれていません)。
もっとも、2005年5月に発売された『LOVE SONGS』の“香港盤”には、同ビデオ・クリップの“カラオケDVD”が付属していました。しかし、カラオケというだけあって、映像の上に字幕が付記されています。さすがに、これはちょっとおすすめできる品ではなさそうです・・・。
とにかく、ビデオ・クリップを観なかったせいか、シングル自体は、じりっじりっと地味に上がって来た印象があります。その結果最高位第3位まで来るとは正直夢にも思いませんでした。アルバムからのファースト・シングルであるにもかかわらず、また、その高順位にもかかわらず、ファンの中にはかなり印象の薄い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ダイアン・ウォーレンとともに、共作者として名を連ねているのは、あのアルバート・ハモンド。オールド・ファンには涙モノの"カリフォルニアの青い空"や"落葉のコンチェルト"などで知られるハモンドは、以降はもっぱらソングライターとして活躍し、後年87年に至り、ダイアンとのコンビで、スターシップの大ヒット"愛はとまらない"を生み出します。それ以来のコンビ・ペンによるヒットとなるのが本曲"I DON'T WANNA LIVE WITHOUT YOUR LOVE"です。
別々の生活をしてもやっていけると思っていたけれど、やはり、≪キミの愛なしじゃ生きていけない≫という内容。
歌詞を眺めると、サビで≪I don't wanna〜≫、中盤で≪Guess I had to〜≫という言葉がおそらく意識的に繰り返されていることに気付きます。
ビル・チャンプリンのヴォーカルは力強く、本当に≪キミの愛なしじゃ生きていけない≫のか、不思議に思うくらいですが、「大人の恋を歌わせたら一番!」と私が勝手に考えるビルならではのヴォーカル・スタイルと言うべきでしょうね。
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