ディスコグラフィ   シカゴ(26)

CHICAGO XXVI LIVE IN CONCERT (1999/10)
CHICAGO

曲目 シカゴ26〜ライヴ・イン・コンサート〜
シカゴ
総評

試聴♪

Produced by JAMES WILLIAM GUERCIO (01、02、03、05、06、07、
08、10)
DAVID FOSTER (04、09)
ROY BITTAN (11)
MERVIN WARREN (12、13)

曲目
01 BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON バレエ・フォー・ア・ガール・イン・バキャノン
02 (I'VE BEEN) SEARCHIN' SO LONG 遙かなる愛の夜明け
03 MONGONUCLEOSIS モンゴヌークレオシイス
04 HARD HABIT TO BREAK 忘れ得ぬ君に
05 CALL ON ME 君は僕のすべて
06 FEELIN' STRONGER EVERY DAY 愛のきずな
07 JUST YOU 'N' ME 君とふたりで
08 BEGINNINGS ビギニングス
09

HARD TO SAY I'M SORRY /
GET AWAY

素直になれなくて〜ゲット・アウェイ
10 25 OR 6 TO 4 長い夜
11 BACK TO YOU (New) かけがえのない君へ (新曲)
12 IF I SHOULD EVER LOSE YOU (New) イフ・アイ・シュド・エヴァー・ルーズ・ユー
(新曲)
13 (YOUR LOVE KEEPS LIFTING ME) HIGHER AND HIGHER (New) (ユア・ラヴ・キープス・リフティング・ミー)ハイアー・アンド・ハイアー (新曲)
総評

99年6月末から7月始めにシカゴその他の地域で行われたライヴの模様を編集・収録した通算26作目。アルバム全体がライヴで構成されているわけではなく、終わり3曲はタジオ録音の新曲曲となっています

一方、ライヴ盤としては、4作目の『シカゴ・アット・カーネギー・ホール』(71年)や、カウントされなかったものの日本やヨーロッパ向けにリリースされた『ライヴ・イン・ジャパン』(72年)などに続くものです。もっとも、ライヴ活動を積極的に行ってきたバンドとしてはいかにも寂しい枚数ではあります・・・。

収録されているライヴ曲は、デビューした60年代末期から80年代中期までのシカゴの定番曲を網羅。

ところで、シカゴのライヴはかなりラフです。これは彼らのスタンスなのでしょう。ですから、CD等で聴くのとは多少異なる感覚を覚える向きもあるかもしれません。しかし、またそこがいいのです!この醍醐味は、何度もライヴに通わないと分からない部分だと思っています。

なお、ピーター・セテラが脱退して久しい現在のラインナップでは、彼のヴォーカル・パートの大半はジェイソン・シェフが担当してます。ですから、ピーターの声の印象が強い代表曲"素直になれなくて"も、今はジェイソンが歌っています。

ギターは、堅実かつ習熟した技術で応えてくれるキース・ハウランドが、ドラムスは、力強いベテランのトリス・インボーデンがそれぞれ演奏しています。

01

BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON
バレエ・フォー・ア・ガール・イン・バキャノン

MAKE ME SMILE
ぼくらに微笑みを

SO MUCH TO SAY, SO MUCH TO GIVE
言いたいことが沢山

ANXIETY'S MOMENT
不安の日々

WEST VIRGINIA FANTASIES
ウェスト・バージニアの幻想

COLOUR MY WORLD
ぼくらの世界をバラ色に

TO BE FREE
今こそ自由を

NOW MORE THAN EVER
愛は限りなく

JAMES PANKOW

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

ライヴのオープニング・ナンバーによく選ばれる曲です。しかし、シカゴ=バラード・バンドと考えて会場に足を運んだ方は、いきなり12分以上にもわたるこの曲の演奏の長さにビックリされるのではないでしょうか。

ここに"BALLET FOR A GIRL IN BUCHANNON"とは、"MAKE ME SMILE"から始まる一連の曲の“総称”といいますか、シカゴの初期作品においてよく見られる“スイート形式(=連作作品)のタイトル”のことを言います。

オリジナルは、故テリー・キャスの熱唱がとても印象的な曲でした。近年は、出だしをビル・チャンプリンが歌い、途中、≪As time goes on ・・・≫で始まる、"COLOUR MY WORLD"では、ロバート・ラムがヴォーカルを担当することが多いようです。

02
(I'VE BEEN) SEARCHIN' SO LONG
遙かなる愛の夜明け
JAMES PANKOW

 74年、『シカゴVII(市俄古への長い道)』収録。

アルバム発表当時は、ピーター・セテラの甘く切ないヴォーカルが光った作品です。現在はジェイソン・シェフが担当しています。

イントロ部分の意味深な調子が、曲全体の雰囲気を盛り上げてくれています。

後半部分が劇的に展開されますが、ここでスパイスを利かせているのが、他ならぬホーンの音色です。幾多のメンバー変遷を経ているシカゴですが、ホーン・セクションの3人は不動です。そのせいか、ライヴでこのホーンの響きに接していると、実にホッとします。「やはり、シカゴはブラス・バンドなんだ!」と思わせてくれる瞬間でもあります。

03
MONGONUCLEOSIS
モンゴヌークレオシイス
JAMES PANKOW

 74年、『シカゴVII(市俄古への長い道)』収録。

前曲"遙かなる愛の夜明け"に連なる形で演奏される、ラテン・タッチのインストゥルメンタルです。オリジナル・アルバム収録時にすでにこのような形でした。

大変ノリの良い曲で、メンバーもとても楽しそうに演奏しています。

なお、『シカゴVII(市俄古への長い道)』に収められた、この曲のアルバム・バージョンには、ピーターとロバートそれぞれの元夫人であるダイアン・ニニとジュリー・ニニがバック・コーラスとして参加しています。

04
HARD HABIT TO BREAK
忘れ得ぬ君に

STEVE KIPNER JOHN PARKER

 84年、『シカゴ17』収録。

オリジナルは、ピーター・セテラとビル・チャンプリンがヴォーカルを分け合っていましたが、今はジェイソン・シェフがピーターに取って代わっています。

82年の"素直になれなくて"の大復活後、さらにバラードのシカゴを決定付けた作品でもあります。

個人的には、「シカゴって、何ていい歌を歌うんだろう!」と心を奪われた衝撃的な曲でもありました。

05
CALL ON ME
君は僕のすべて

LEE LOUGHNANE

 74年、『シカゴVII(市俄古への長い道)』収録。

珍しく、トランペットのリー・ロックネインが作曲した曲。シンプルな構成で、とても親しみやすく、かつ、覚えやすい楽曲です。

現在、コンサートで披露されるときは、ジェイソン・シェフがヴォーカルを担当していますが、せっかくですので、作曲したリー自身に歌ってもらいたいと思う曲でもあります。

06
FEELIN' STRONGER EVERY DAY
愛のきずな
PETER CETERA JAMES PANKOW

 73年、『遙かなる亜米利加』収録。

偶然の産物ともいえる楽曲。つまり、ジェイムズ・パンコウが適当に吹いていただけのトロンボーンの階調に惹かれたピーター・セテラがそのメロディを活かした曲作りを持ちかけて、共作された作品です。

現在は、ピーターに代わり、ジェイソン・シェフがヴォーカルを担当しています。

この70年代中期のシカゴのバラードは、シンセサイザーの機械的な音ではなく、生の楽器の音が存分に活かされていて、とても魅力的で、温もりのある曲が多いのです。シカゴのさまざまなコンピにも収録されている曲なので、本作のようなライヴ盤だけでなく、オリジナルのスタジオ録音盤をお聴きいただきたいところです。ローリング・ストーンズ・ファンにウケること間違いなしです!

07
JUST YOU 'N' ME
君とふたりで

JAMES PANKOW

 73年、『遙かなる亜米利加』収録。

軽やかなトロンボーンの響きで始まるこの曲は、作者のジェイムズ・パンコウが巡り合った夫人との幸せな気持ちを綴った作品です。

ジミー(=ジェイムズ)らしい率直な語り掛けが印象的なこの歌をピーター・セテラが伸びやかに歌い上げます。素朴かつ内省的な曲が多い収録アルバム『遥かなる亜米利加』の中で、一際洗練された明るいポップな曲調に仕上がっています。「これぞ傑作」という作品です。

この曲も、今はジェイソン・シェフが担当し、ダイナミックに歌っています。また、一時は、キース・ハウランドがリード・ヴォーカルをとることもありました。

ライヴでは、もはや定番のウォルター・パラゼイダーのサックスないしフルート・プレイが堪能できます。ここぞとばかり、横からスルスルとステージ中央にせり出して来る様は必見です!

08
BEGINNINGS
ビギニングス

ROBERT LAMM

 69年、『シカゴの軌跡』収録。

衝撃の2枚組みファースト・アルバムからの選曲で、この曲がライヴで演奏されないことは今後もまずありえないでしょう。

叙“事”詩を得意とするロバート・ラムが叙“情”詩の方でも、さすがという一面を見せてくれる名曲です。

また、テリー・キャスもいない、ピーター・セテラもいない今のシカゴにあって、繊細なギターの音色、そして、ロバートの優しい歌声は、“変わらぬもの”として、多くのファンの拠り所となっていると言っても過言ではないでしょう。

テリー亡き後は、ロバート自らが12弦ギターを携えて演奏していますが、現在のギタリストのキース・ハウランドとの二重奏となることもあるようです。

また、ロバートは、2004年2月4日、ニュージーランドにおいてソロ・コンサートを開催し、この"BEGINNINGS"も披露しています。演奏形態もテリーがいた頃のように、ロバート自身はキーボードに専念するなど興味深いパフォーマンスを見せてくれています。

09
HARD TO SAY I'M SORRY / GET AWAY
素直になれなくて〜ゲット・アウェイ

PETER CETERA DAVID FOSTER [HARD TO SAY I'M SORRY]
PETER CETERA DAVID FOSTER ROBERT LAMM [GET AWAY]

 82年、『ラヴ・ミー・トゥモロウ(シカゴ16)』収録。

近年のCM等での起用が功を奏してか、おそらくは、一般的にはシカゴを代表する曲にまでなった名曲中の名曲。

とにかく、「シカゴは知らなくても"素直になれなくて"は知っている」という人に多く接するようになりました。たしかに、歯がゆい部分もありますが、私はそれでもいいと思ってます。現在の音楽シーンと縁遠い今のシカゴにとっては、そこからじわじわと他のシカゴの曲も聴くキッカケになってくれれば・・・と一計を案じて、このようなページを作っているわけでもありますから――。

なお、当時ヴォーカルを担当していたピーター・セテラはすでに脱退しており(85年)、現在は、代わって、ジェイソン・シェフがこの名曲をステージで披露してくれています。ですから、ピーターの声で聴き慣れている方はちょっと違和感を感じられるかもしれません。ですが、ジェイソン版もなかなかいいですよ〜!

10

25 OR 6 TO 4
長い夜

ROBERT LAMM

 70年、『シカゴと23の誓い』収録。

言わずと知れたシカゴの初期の代表曲。世界中で大ヒットしました。

何やら意味ありげのタイトルは、4時25〜6分前という夜中の時間のこと。作者のロバート・ラムが寝つけないさまを書き綴った作品です。

それにも増して、印象的なのは、何と言っても、イントロ!この重厚なイントロ部分で、すぐ「あ、あの曲!」と分かっていただけることでしょう。

しかし、この曲で肝心なのは、やはり、ギターとホーン・セクションのバランスがとれることだと思います。

ヴォーカルはピーター・セテラに代わり、ここでもジェイソン・シェフが担当しています。

そうそう、コンサートでは、「2、5、6、4」の各数字を指で表すのがここ最近の定番となっています。ジェイムズ・パンコウが率先して観客を導いてくれます。

近年のコンサートでは、決まってアンコールに使用されるこの曲。いつも思うのですが、バラード曲が多く占める今のシカゴのライヴ公演にあって、彼ら自身はどのようなオーディエンス・スタイルを求めているのでしょうか?静かなラヴ・ソングなのに、いきなり立ち上がってエールをおくるのも気が引けますし、かと言って、ガンガンのロック調の曲も限られていますし・・・。そんな中で、この"長い夜"は間違いなくノリのいい部類の曲。これを演奏して最後に観客と一体になろう!という彼らの苦肉の策なのでしょうか・・・。

ところで、作者のロバート・ラムは、2004年に開いたソロ・コンサートにおいて、この"長い夜"を“自らのヴォーカルで”歌っています。多言を要しません。必聴です。感動です。

11
BACK TO YOU (New)
かけがえのない君へ (新曲)
ROBERT LAMM KEITH HOWLAND

本ライヴ・アルバムに付加されている新曲。

この曲は、もともとは、98年リリースの『THE HEART OF CHICAGO 1967-1998 VOLUME II』に収録されていた"ALL ROADS LEAD TO YOU"や"SHOW ME A SIGN"と同時期に製作された作品だそうですが、当時発表は見送られてしまいました。従って、曲自体は少なくとも97年から98年頃に書かれたものと推測されます(ロバート・ラムのオフィシャル・ウェブサイトでは97年でクレジットされています)。

また、キース・ハウランドがはじめてクレジットされた作品としても注目です。ロバートとキースの共作ですが、どちらが主なのか判然としません。もっとも、90年代のロバートの作風は、実際起こった現象を題材にしたものが多く、事情が分からないと意味も通じないといった書き方をしています。また、主語抜きで語るため、非常に訳しづらい点も特徴だと思うのです。そういった観点から見ると、シンプルで分かりやすい本曲は、逆に、キースの影響力が大きいのかなとも推測できそうです。

付き合ってる頃は大して気遣いもせずに過ごしてきたが、安易な自分の態度に愛想を尽かした彼女。いなくなって気づく自分の愚かさ・・・。≪君のもとに戻るんだ。お願いだ、神様、力を与えておくれ・・・≫と、まるでありがちなシネマのよう。このように定番のストーリーを映画にたとえてキレイにまとめてあります。その辺の作詞構成もとても面白いです。素人が誉めるのも何ですが、なかなかのセンスです。

これをジェイソンがあのまろやかな声でうまく昇華させています。そして、忘れてならないのは、シカゴはホーン・バンドだということ。ここでも冒頭から印象的な音色を奏でています。

プロデュースは"ALL ROADS LEAD TO YOU"と同じく、ロイ・ビタンが担当。このロイ・ビタンという人は何を隠そう、あのブルース・スプリングスティーンのザ・E・ストリート・バンドの一員で、キーボードを担当している名プレイヤーです。それにもかかわらず、シンセの機械的な音を多用せず、実に繊細な曲作りをしてくれています。さすが!

そういったことからか、ファンの間ではかなり人気の高い曲となってます。いわゆるアダルト・コンテンポラリーのほか、AAA(トリプルA)という新ジャンルが台頭してきた今日では、大人向けの心地良いロックとして、プロモーション用だけでなく、一般チャート向けにシングル化しても良かったのではないか?と今更ながらに思うのですが、残念でなりません・・・。

ちなみに、キース・ハウランドのオフィシャル・ウェブサイトにおいて、この"BACK TO YOU"のデモ・バージョンを聴くことができます。アコースティック調で、これだけでも十分雰囲気ある作品になっています。

12
IF I SHOULD EVER LOSE YOU (New)
イフ・アイ・シュド・エヴァー・ルーズ・ユー (新曲)
BURT BACHARACH

こちらも新曲。

作者のバート・バカラックは、説明不要の超大物プロデューサー。50年代後半から活動を開始し、とくにハル・デイヴィッドとのコラボレーションで、"小さな願い"(ディオンヌ・ワーウィック)、"雨にぬれても"(B・J・トーマス)、"遥かなる影"(カーペンターズ)などの名曲を次々に世に送り出し、80年代に入ってからも、キャロル・ベイヤー・セイガーらと"ニューヨーク・シティ・セレナーデ"(クリストファー・クロス)、"愛のハーモニー"(ディオンヌ&フレンズ)などの代表曲を生み出しています。

アルバムのライナーでは、プロデューサー・クレジットを表す"*"印の位置のが微妙だったため、この曲のプロデューサーが誰なのか、長い間分かりませんでした。しかし、これには、ビル・チャンプリンが明確な回答を与えてくれました。すなわち、"(YOUR LOVE KEEPS LIFTING ME) HIGHER AND HIGHER"と同じく、マーヴィン・ウォーレンだということです。上記の"*"印は、最後の2曲をまとめて表記したわけですね。

一方、歌詞については、海外のファンが聴き取って書き出してくれていたのを発見しました。本アルバム『26』の国内盤には記載されていなかっただけに、大変助かりました。

≪もしキミを失ったら?≫という自問に、強く生きられるから大丈夫、という自分と、いや、やっぱり何があっても失いたくない、というもう一人の自分が、それぞれ答えていきます。もちろん、主人公の本心が、≪その日には直面したくない≫という一節に尽くされていることはたしかでしょう。実に不安定で揺れ動く微妙な心理状態ですが、さすがのバカラックはこれらを非常に繊細なタッチで描写しています。

以下は、その海外のファンが書き出した歌詞と、自分なりに訳してみたものです。一部、不詳の部分があります。

If I should lose you
It wouldn't be the ending
I wouldn't lose my way, I'd be okay
Life goes on
There are no guarantees

If I should lose you
I would embrace my freedom
Or find somebody else eventually
I'd be strong
I'd live with tragedy

But I don't ever wanna face that day
Never let love slip away
And I'll do anything to keep us safe
Keep us together
Don't ever want to lose your love

I don't wanna lose

It's never easy
Feels like the world's still falling
It seems like everything's opposed to love
Still we try
'Cause love is all there is

But I don't ever wanna face that day
Never let love slip away
And I'll do anything to keep us safe
Keep us together
Don't ever want to lose your love

Never wanna lose your love

Times are tough *
Temptation everywhere

I don't ever wanna face that day
Never let love slip away
No one ever made me feel this way
Love's what I'm after
Love's all that matters, yeah

I don't ever wanna face that day
Never let love slip away

'Cause without you nothing in the world would be the same
Ooo, life would go on
Feeling all wrong (along?)
If I should ever lose your love

*不詳とのこと



もしキミを失うとしたら、それはエンディングじゃないと思えばいい。
僕が道を見失うことはないさ、大丈夫。
人生は続く。
何の保証もないけど。

もしキミを失うとしたら、僕は自分の自由を喜んで受け入れるよ。
それとも、他の誰かでも見つけるかな。
僕は強いんだ。
悲劇とだって共生できるよ。

でも、その日には直面したくない。
愛を取りこぼすようなことはしない。
仲睦まじくしていけるのなら何でもしよう。
2人を結び付けることを、ね。
キミの愛を失いたくないんだ。

失いたくないんだ。

たしかに、簡単なことじゃない。
世界が落ち続けるようなものさ。
あらゆるものが愛することに反対しているみたいだ。
でも、トライしていくんだ。
だって、そこには愛しかないんだから。

でも、その日には直面したくない。
愛を取りこぼすようなことはしない。
仲睦まじくしていけるのなら何でもしよう。
2人を結び付けることを、ね。
キミの愛を失いたくないんだ。

決してキミの愛を失いたくないんだ。

時には厳しいこともあるさ。
誘惑で一杯のことも。

でも、その日には直面したくない。
愛を取りこぼすようなことはしない。
誰もこんな風に感じさせてくれる人なんていなかった。
愛にさえ従っていればいいんだ。
愛がすべての関心事なんだ。

でも、その日には直面したくない。
愛を取りこぼすようなことはしない。

キミがいなくなったら、この世にキミに比する人なんていないから。
人生は続いていくだろう。
すべてが最悪に感じることだろう。
もし、僕がキミの愛を失ったとしたら。

とにかく、ドラマティックなストーリー展開に頭が下がる、という曲です。それをビルとジェイソンが見事に歌い上げています(やはり、複数ボーカル体制はいいですね〜♪)。途中聴こえる“指パッチン”はやはりトリスによるものでしょうか?ビルとトリスはシカゴの中ではR&Bコンビですよね。

バカラックの王道音楽に、シカゴのフレキシブルな面が噛み合わさって、またとない逸品に仕上がっています。

13

(YOUR LOVE KEEPS LIFTING ME) HIGHER AND HIGHER (New)
(ユア・ラヴ・キープス・リフティング・ミー)ハイアー・アンド・ハイアー (新曲)

GARY E. JACKSON RAYNARD MINER CARL WILLIAM SMITH

新曲3曲目。

オリジナルは、R&Bシンガーの故ジャッキー・ウィルソンのヒット曲で(67年第6位)、その後、リタ・クーリッジがカバーしてまたも大ヒットを記録しています(77年第2位)。

しかし、何と言っても、本件での注目は、ドゥービー・ブラザーズにも在籍したマイケル・マクドナルドがリード・ヴォーカルをとっている点です。「一体、何が起こったんだ???」と思いましたが、マイケルがシカゴ・レコードに移籍した経緯から来た単なる客演と考えるのが無難なところのようです。

プロデューサーのマーヴィン・ウォーレンは、ア・カペラ・グループ、TAKE 6のオリジナル・メンバーだった人です。グループには、80年代後半のデビューから2枚程度のアルバムに関わっただけで、91年頃、プロデュース業に専念するため、グループを後にしています。彼らは、ゴスペルやドゥー・ワップを基調としたグループで、一糸乱れぬハーモニーで有名です。そのため、このR&Bの名曲をシカゴがカヴァーするにあたり、彼を起用することになったのかもしれません。また、TAKE 6はワーナーに所属するアーティストですから、その縁もあったのかもしれませんね。

歌の内容は、≪キミの愛は以前にも増して僕をさらに高いところへいざなってくれる≫、≪君に会えてメチャクチャうれしい≫、≪君はone in a million girl、つまり、とてもかけがえのない人だ≫というものです。

ファンの間でも賛否両論ある曲でしょうが、私自身は、何回も聴いてるせいか、異様にマイケル・マクドナルドの伸びのあヴォーカルがフィットしているように思われます。これぞシカゴ・マジック!?