本アルバムに収録された新曲のうちの1つ。
2003年1月から2月にかけての来日公演でも披露された、スロー・バラードです。
曲自体は、アメリカではシングル・カットされ、アダルト・コンテンポラリー・チャートで見事全米第1位に輝きます(但し、一般のHOT100では第59位)。
作者は、プロデュースも担当した、ジェイムズ・ニュートン・ハワードと、グレン・バラード。
ジェイムズ・ニュートン・ハワードは、70年代前半から、セッション・マンとして活躍し、主にエルトン・ジョンなどのバック・バンド(キーボード)に名を連ねる経歴を持つ人物で、のちに、プロデュース業や映画音楽まで手掛けるようになります。また、86年の『シカゴ18』に収録された"OVER AND OVER"の共作者の1人でもあります。
今1人のグレン・バラードは、作曲やプロデュース活動をしている人物で、85年初頭にヒットした、あのジャック・ワグナーの"オール・アイ・ニード"の共作者として知られています。また、盟友クリフ・マグネス、ジェイ・グレイドンとともに、PLANET 3名義でアルバムも発表しています(1991年、2004年)。
全体的にゆったりとした、メロウなバラード。ビルとジェイソンが交互にヴォーカルを分け合います。そこに、ホーンの音色がかぶさるところがシカゴのシカゴらしい所以。何ともうれしいものです。
きっぱりと分かれた方がいいと思うこともある。だって、キミの愛には疑わしい部分もあるから・・・。でも、結局は、「僕のハートはここにあるよ」と言ってしまうんだ。僕たちにはまだ見果てぬ夢があるから、それが僕の決断を鈍らせるんだ―――。内容を思い切ってストーリー化すると、こんな感じでしょうか(ちょっと意訳しすぎかも・・・?)。
自分から別離を切り出そうと考えつつも、どこかで、再び2人が一緒になることを期待してる自分がいる。そこで差し延べてしまう、≪Here in my heart≫という一言。哀しくも、そんな恋の葛藤が描かれているようです。
なお、2003年日本公演に先んじること数年前、この米国盤『23』が出た97年頃には、現地のライヴでは、すでにこの曲は披露されていたようです。
(情報提供:chellowさん)
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